青木 勇氏
群馬県信用保証協会長

事業者支援の責任実感
新型コロナウイルスは人の移動を制限したため、特定の業種に限らず経済界全体の活動がストップしました。特に飲食業や宿泊業などは資金繰りが大変な状態に陥りました。また、収束が見通せないことから、手元資金を確保しておきたいと考える事業者もいます。融資を受けるため、信用保証の申し込みが大幅に増えました。
昨年上半期(4~9月)の保証承諾実績は約2万7千件、約4150億円で、協会創立以来、半期ベースで過去最多です。県内の多くの中小企業・小規模事業者に利用していただき、当協会の社会的責任の重さを感じました。また、資金が必要な事業者を待たせることのないよう、担当部署に応援職員を配置するなど、協会の総力を挙げて対応しました。
資金繰りの支援はいわば“輸血”です。これからは止血のための経営改善支援や事業再生支援によって生産性を向上させる必要があります。また、この大きな経済変革は、見方を変えれば創業のチャンスです。ウィズコロナの中で輝ける企業を創出していきたいと考えています。
事業承継も大きな課題です。経営者の高齢化や後継者難に加え、コロナで先が見通せないために事業をやめる人が急増するのではないかと懸念しています。しかし、地域経済にとってなくてはならない技術や、雇用が確保されている面もあります。事業承継時に利用可能な新たな保証制度もできましたので、事業を続けられるようしっかり支えたいと思います。