小澤 淳氏
内外・東京鋳造所社長

世界で勝てる品質保つ
「内外」「東京鋳造所」は、共にアルミの鋳造を営んでおり、自動車や建設機械の部品を製造しています。主力製品のターボチャージャーや高圧燃料噴射ポンプは、自動車の性能に直結する重要な部品です。最近の自動車やトラックは、エンジンの燃費改善や環境負荷の低減が主軸ですが、こうした技術にも当社の製品が使われています。
人口減少と高齢化が進む中、労働生産力の低下は企業が抱える課題です。当社は世界で勝てる高品質な鋳物づくりを継続するために、ロボットを積極的に導入し、AIやIoTを活用した製造システムを自社構築しています。
単調な作業はロボットに任せ、人間にしかできない業務に注力できる職人技と最新ITシステムを融合させた体制づくりを着実に行っています。自宅にいても工場の様子をカメラで確認できるデジタル化も進めています。BCP(事業継続計画)では、ウイルスや自然災害など、あらゆるリスクを想定した対応策に取り組んでまいります。
昨年はコロナ対策に追われましたが、幸いなことに次世代自動車の部品受注が進み、新規事業の立ち上げと開発に大変忙しい1年でした。鋳物は溶かした金属を型に流し込み成型する伝統産業で、若者に人気の職場ではないかもしれませんが、「未来のクルマづくりに参画している」というプライドを持ち、「鋳造魂」を背負って仕事しています。今年、さまざまな新製品が立ち上がります。圧倒的な高品質の製品を継続し、安定供給し社員と一緒に成長できる1年にしたいと思います。