顧客のニーズを先取り

金型製作会社から成形部門が独立する形で、１９９０年に創業したプラスチック部品の製造会社です。太田市に本社を置き、中国とフィリピンに現地法人、台湾に合弁による工場があります。県の１社１技術に認定された複合射出加工などの技術力とグループ会社で金型から作れる一貫システムを生かし、顧客ニーズを先取りした提案型企業を目指しています。

おもちゃの部品製造からスタートし、現在扱っているのは水道パイプの接手（つぎて）、自動車部品、ＩＣの搬送トレーから防塵マスクの部品、たばこのやに取りパイプまで数千種。車の自動運転に欠かせないＧＰＵ（画像処理装置）の部品も作っています。ＩＣトレーは世界で１カ月に生産される２千万枚のうち、当社が２５０万枚を占めています。

昨年は当社が開発・製造した災害時に活用できる浄水器「ＳＥＳＥＲＡ（せせら）」のＰＲに本格的に取り組みました。電気を使わず川やふろの水から細菌やウイルス、原虫を取り除いて飲料用にする機能があり、内閣官房の「国土強靭（きょうじん）化　民間の取り組み事例集」でも紹介されました。片品村産の貴陽石をはじめ数種類の石と活性炭の作用により、日常で使っていただいても水道水をおいしいミネラル活水にできます。

コロナ禍もあってサプライチェーンを見直し、海外生産の一部を国内に切り替えるため、今年は本社に工場と倉庫を増設します。また、ＳＥＳＥＲＡについては引き続き自治体などに寄贈して社会貢献に努めながら、販売を強化していきたいと思っています。