県歯科医師会 学術・情報管理理事 高井 貞浩さん 県歯科医師会 学術・情報管理理事 高井 貞浩さん

 「歯周病」という病気を耳にしたことはありますか。かつては「歯槽膿漏(しそうのうろう)」といわれていたこともある、歯茎の病気です。現在、日本では抜歯する原因の1位であり、ギネスブックでは「人類に最も多く広がった感染症」として取り上げられています。最近では、歯周病は口の中だけにとどまらず、口腔内の炎症が血流にのって、糖尿病や心筋梗塞、誤嚥(ごえん)性肺炎など、全身の病気に悪影響を及ぼすことが分かってきました。

 さまざまな疾患に関わる歯周病ですが、実は初期の段階では自覚症状に乏しく、痛みを伴うことは、あまりありません。気が付いたときには重症化し、抜歯に至ることも少なくありません。口の中の「サイレント・キラー(静かな殺し屋)」と呼ばれることもあり、早期発見、早期治療が重要です。

 初期段階では、①歯茎が腫れる②歯茎から出血する③歯茎がむずがゆい―などの症状が見られます。進行すると歯がぐらぐら(動揺)する、かむと痛いなどの症状も見られます。

 歯茎の腫れは「そのうち治るだろう」とそのままにせず、近くの歯科医院で歯周病の検査を受け、適切な治療とその後の定期検診を継続して受けることをお勧めします。