テレビや銀幕の向こうの表現者、世界を舞台に戦うスポーツ選手、アーティスト。本県ゆかりの個性豊かなスターたちは群馬を元気にし、私たちを勇気づけてくれる。軸足を本県に置き、各分野で活躍する人が「ぐんま愛」を語る企画「グンマスター」。初回は、明るい笑顔でお茶の間を楽しませるタレントのJOYさん(37)。芸能界での立ち位置や温めている夢は―。

☆シリーズ「グンマスター」の記事一覧☆

 

群馬のため「何でもやりたい」

子育てするなら 

-テレビやラジオで地元愛をPRしつつ、イメージキャラクターやイベント出演でなど積極的に県内を駆け回っている。

 群馬のためには何でもやりたい。群馬から出てきたハーフタレントというギャップで面白いと思ってもらっているのも事実。「その顔で群馬かい」みたいな。東京出身だったらそういうイジりはなかったと思うし。

 群馬に引っ越したいと思っていて、テレビ番組のロケでも家を探している。子どもを地方で育てたいんですよ。僕自身、群馬で育って良かったから子どもにもそうしてあげたい。例えば、東京でマンションの十何階に住んでいるとして、エレベーターで降りて外に出る手間とかいろいろ考えちゃって。

 (群馬は)同じ日本でも空気って違う。すごく心が豊かになる。東京みたいに生き急がなくていいんだって感じる。もちろん、東京でも仕事あるので通うことになるが、新幹線で50分と近いし、苦にはならない。理想は実家の近くがいいね。

 -若い頃、東京へのあこがれは。

 もちろん、ありましたよ。群馬には何もねえじゃん、つまんねえって(笑)。姉がモデルで東京行ってたから、華やかだなあ、うらやましいなあって思ってた。でも、上京した時から自分には東京が合わないと思っていた。全然なじめなくて。イケイケの性格と思われるが、人見知りなんですよ。初めて会う人ともあまりしゃべれなくて。芸能人になっちゃったから東京で闘ってるけど、落ち着かない。ずっとは住みたくない。

 だから、奥さんにも「いつか群馬に帰るから」って。そしたら快く「いいよ」って言ってくれて。縁もゆかりもないのに。うれしかった。ネガティブなことは何も言わなかった。東京がいいとか、出身地の広島がいいとか、そういうのはなかった。ロケで家探しした時も「住みやすそうだね」って。それが全てなのかな。子どもを育てることを考えた時に、その絵が見えたんだと思う。

観音山で考え事

-群馬での思い出や好きなものは。

 観音山が好きでよく一人で行く。実家から近かったし、カッパピアもあったからしょっちゅう行ってて。(白衣観音像の)前のベンチで考え事するのが好きなんですよ。あとは烏川の横のサッカー場。毎週末そこで試合してて、自分にとって大切な場所。歩くのも好きで。こうだったなとか、ああだったなとか、思い出にふけるのが好きなのかもしれない。地元のことを考えると二つの場所が浮かぶし、原点という感じ。

 高崎駅周辺で遊ぶことが多かった。高校生ぐらいの時、東口に109シネマズ高崎ができて。映画館もゲーセンもカラオケもあったし。学校終わったら友達と行ってた。やることなんかないんですよ。東口と西口を行ったり来たり。あとはビブレ。プリクラ撮って友達としゃべって。「毎日いるな」みたいになってたと思いますよ(笑)。

 食べ物は、下仁田ネギかな。焼きまんじゅうはもともと好きなんですけど、奥さんも好きって言ってくれて。ソウルフードで外せない。高崎市の「オリタ」っていう店のおばちゃんがすごくいい人で、1人でやってて。たれをたっぷりかけてくれて、めちゃくちゃおいしんですよ。あとはかき氷の「日本一」。ちっちゃい時から行っていて、ロケでも行った。高島屋の屋上のビアガーデンはバイトしてたので、あそこも好き。たまに行く。

 土産はガトーフェスタハラダのラスク。一択でしょ。意外と群馬のものだって知られていなくて、一番喜ばれるんですよ。シンプルなやつがおいしい。

 人物はBOØWY。高崎イコール、ボウイ。世代じゃないけど好き。バイト先のビアガーデンでベストアルバムが一日中流れていて。そこで知って歌うようになった。氷室京介さんの東京ドームのライブにも行ったけど、あんなかっこいいおっちゃんいないっすよ。絶対、高崎駅にボウイの銅像を建てるべきだと思う。

全部本気でやる

 -仕事する上での信念、心掛けていることは。

 全部本気でやる。金額や内容は関係ない。仕事によって金額は違うし、分かって仕事すると「これくらいのギャラなら本気でやらなくていいじゃん」ってなる。だから事前に聞かない。テレビやラジオだけでなく、ネットやユーチューブの番組でも「この番組で売れる」という気持ちでやっている。「結果を残す」と。その熱量を持っている。

 そうなったのも、病気がきっかけ。芸能界に入り、ありがたいことにすぐ売れて、何を言っても笑ってもらえる状況が2年くらい続いた。それで肺結核になって死にかけて、仕事ができなくなって、テレビに戻ってきたら旬が変わっていた。イジってもらえなくなって、今までのやり方は通用しなくなっていた。シャボン玉が割れる感覚に似ている。浮かんでるときは「きれいだ」って追いかけられるけど、割れたら次のシャボン玉ってなる。芸能人てそういうもの。

 それまでは、何とかこなせてた。調子に乗っていたんでしょうね。周りが面白くしてくれていたのに、自分の実力だと思っちゃった。だから今は、目の前にある一つ一つの仕事を大切にしたい。前は1日に四つも五つも仕事があったら、正直、全部100%は難しかったと思う。でも仕事を振ってくれる人にとっては、その仕事が全て。その場で僕に盛り上げてほしいと思っている。そこを全力でやらないと失礼ですよね。誰が見てるか分からないし、誰の目に留まるか分からない。だから思ったことは全部しゃべりたい。仕事がもらえることはありがたいんです。病気でゼロになったけど、逆に何も怖くないという気持ちにもなれた。何とかなったから。病気を経験したことで強くなったと思う。

大御所なのにかっこいい

 -仕事への向き合い方が変わる中で、転機となったのは。

 「JOYnt(ジョイント)!」(3月まで群馬テレビで放送)は大きかった。始まったのは退院直後。それまでの僕は、場を回したりゲストに話を聞いたりすることはなかった。人から何かを引き出す、人を面白くするというのは勢いだけでは通じない部分もある。難しかったけど、いろいろ試せた。東京の番組のロケって、カチッと決まっていることも多いし、ワンフレーズが勝負だったり、余計なことを言えなかったりとあまりチャレンジする場がない。でも「JOYnt!」は時間や回し方が決まっていなくて、思い付いたことも言える。いろいろチャレンジできた。

 ゲストから学ぶことも多い。アンタッチャブルの柴田(英嗣)さんがもともと大好きで、ゲストで来てくれた時、すさまじい技術を見せつけられた。化け物だと。地方のロケでも一切手を抜かず、めちゃくちゃボケるんですよ。群馬のためにこんなにやってくれんの? みたいな。M-1グランプリで優勝してるし、大御所なのにかっこいいなって。

 こんなパターンのボケがあるんだとか、ここでこんなこと思い付くんだとか知って。自分でもあれができるなとかこれもできるなとか、いろいろ試すようになった。「JOYnt!」を通していろんな技術が身に付いた。僕、「小ボケ」が多い人が好きなんですよ。フリートークの中でのしょうもないボケとか。スタッフしか笑わないようなことを言ったり、そういうタイプが好きで。柴田さんや高田純次さん、ユースケサンタマリアさんも好き。真ん中からちょっとずれて、独特の感覚を持ってる人が好きですね。

 「ザ・MC」では、加藤浩次さん。芸能界に入って初めてのレギュラー「心ゆさぶれ!先輩ROCK YOU」という番組で一緒だった。人から話を引き出す技術において一番リスペクトしている。相手にしゃべらせるのがすごくうまくて。何げなく向こうが言ったことを、頭の中で意味を分かってるのに「それ、どういうことすか?」ってあえて知らない感じで聞く。相手が分からない感じを出すと教えたいし、しゃべりたくなるじゃないですか。そのやりとりを繰り返して、最後に相手が言ったことを「こういうことなんですね?」と一気にまとめる。視聴者に結論を伝えるためのテクニック。僕も人に話を聞くときは意識するようになった。もちろん、加藤さんには及ばないけど。

高崎市長に意欲?

 -今後、群馬でやりたいことはあるか。

 群馬を盛り上げることをやりたい。あまり大きいイベントがない。2016年7月に高崎のもてなし広場で布袋(寅泰)さんが歌ったとき、市内が一番盛り上がったんじゃないかな。あの光景が忘れられない。ああいうことをもっとやったら高崎は盛り上がるし、群馬以外からもお客さんが来る。ヒデ(中山秀征)さんや井森(美幸)さんとも何かやりたいと話したことがある。群馬出身のタレント呼んでイベントをやるとか。群馬ってPRが下手じゃないですか。ランキングはあまり参考にならないが魅力度も低いし、東京から遠いわけではないんだから。魅力を発信したいし、何か力になりたい。

 あと、ふざけていると思われるかもしれないけど、高崎市長やりたいんですよ(笑)。群馬出身だけど、生まれ育ったのは高崎。具体的な政策はないし、政治家になりたいわけではなく、高崎を盛り上げたいという気持ち。高崎の顔っていいなっていう勝手な野望だし、夢みたいな話。選挙で落ちるかもしれないし、でも落ちても面白いだろうし。一度の人生、そういうのも面白いなって。 

 -県民にメッセージを。

 いつも応援してくれてありがとう。みんなの応援があるから東京で頑張れているし、いつか群馬に帰りたいという気持ちになる。群馬で声をかけてもらえると本当にうれしい。ヒデさんや井森さんとか群馬の大先輩がいるが、そういうところに入れてもらえている気がして。活躍の期間や実力は2人に及ばないけど、本当に大好きな先輩。大御所なのに大御所ぶらないし、イジられても不機嫌にならない。そこまで降りてきてくれる。偉大な先輩。でっかい背中だけど、群馬のタレントならヒデさん、井森さん、JOYってなるように頑張りたい。これからも群馬を代表できるように、群馬の魅力をちょっとでも引き上げられるように頑張るので、背中を押してほしい。

Profile 1985年、高崎市生まれ。本名はジョゼフ・グリーンウッド。高校在学中にスカウトされ、雑誌の看板モデルとして活躍。現在はラジオのレギュラーのほか、多くのバラエティー番組に出演。中学時代はサッカーの県選抜にも選ばれた。高崎観光特使も務める。

 

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