刊行した「大字誌・角渕」をPRする簗瀬さん

 災害などのリスクから歴史資料を守ろうと活動する「群馬歴史資料継承ネットワーク」(ぐんま史料ネット)は、玉村町角渕地区の歴史や文化遺産を記録した「大字誌・角渕」を刊行した。同書で「生活と生業に密着した最小単位の地域」と位置付ける大字に焦点を当て、住民と研究者が一体となって調査研究をまとめ上げた。

 地区に伝わる信仰や遺産、古文書から分かる歴史などを紹介している。古文書解読に取り組む住民団体「玉村歴史塾」や地域住民、大学生らが協力し、約1年で完成させた。

 地域の歴史をひもとく作業を共に行うことで、大字誌に住民の視点を取り入れるだけでなく、歴史資料を守る啓発活動につなげることを狙った。

 県立女子大群馬学センター准教授でぐんま史料ネット代表の簗瀬大輔さん(56)=伊勢崎市=は「災害時だけでなく、引っ越しや遺品整理など、歴史資料が捨てられてしまうきっかけは多い」と指摘し、「大字誌に関わってもらうことで、1人でも多く身近な歴史資料を気にかけてくれる人が増えたらいい」と期待する。

 県内の図書館などで読める。ぐんま史料ネットは大字誌編さんのセミナー開催など、大字誌を広める活動を検討している。問い合わせは同大簗瀬研究室(☎0270-65-8511)へ。