向き合って顔色や体調確認をする従業員=1日、群馬ヤクルト販売富士見サービスセンター

 一定台数以上の自家用車(白ナンバー)を保有する事業所などにも従業員の酒気帯び確認を義務付ける道交法施行規則の改正に伴い、県内企業が10月から必要となるアルコール検知器の確保に不安を募らせている。機種選定の悩みに加え、需要の急拡大やウクライナ侵攻などに伴う材料不足で製造が遅れているためだ。改正を知らない企業もいるといい、関係団体は早めの対応を呼びかけている。

 「飲酒はしていませんか」「顔色を見せてください」。今月1日、群馬ヤクルト販売富士見サービスセンター(前橋市)の朝礼。従業員が2人1組で互いの顔色をチェックし、飲酒していないことを日報アプリに記録していた。

 同社は以前から体調や身だしなみを同じアプリに記録していたため、今月義務化された目視チェックの業務負担は少ないという。ただ、10月以降に必要となる検知器は悩みの種。担当者は「大型のものや携帯型などさまざまなタイプがある。どのようなものが現場に合うのか選定が難しい」と打ち明ける。

 在庫不足も懸念の一つだ。検知器メーカーのサンコーテクノ(千葉県)によると、特殊技術が必要な検知器の製造を手がけるのは国内で10社程度。改正に伴う需要の急拡大に製造が追いつかず、「在庫はほとんどない状態」という。

 さらにウクライナ情勢などを背景とする半導体不足が拍車をかけており、同社の担当者は「このままだと大多数の事業所が検知器を入手できないまま10月を迎える」と危惧する。

 県内の事業所に検知器をあっせんする県防犯設備協会も「『10月までならまだ大丈夫』という声を聞くが、注文数が多ければ3~5カ月かかることもある」と早めの対策を勧める。検知器が必要になること自体を知らない会社もあるといい、チラシなどを配布して周知を図っている。

 一方、県警は今月始まった目視チェックの徹底を呼びかける。特にコロナ下でマスク着用が一般的になったため、「顔が半分以上隠れ、顔色の判断が難しい。改正の趣旨を理解し、飲酒運転撲滅の意識を高めるために、しっかりと確認してほしい」(交通企画課)と強調している。