協会を立ち上げ、活動に意欲を見せる久保田さん

 障害があっても自分らしく生きられる社会の実現に向け、視覚障害者5人が任意団体「日本視覚障害者ライフデザイン協会」(みどり市)を立ち上げた。企業・医療関係者らを交えたオンラインサロンを通じ、障害者の視点から利用しやすい医療やレジャー、商品開発などを提案する。全国の視覚障害者の協力で各地の温泉旅館の状況を調べ、改善点を提案する「温泉プロジェクト」にも乗りだす。

 協会は本県や近隣県の障害者5人が今月設立した。来年までの法人化を目指している。オンラインサロンやイベントを通じて障害者同士の交流を深めるほか、企業関係者や医療従事者らと困り事や要望などを意見交換し、商品やサービスの改善につなげる。24日には前橋市内で視覚障害者用の歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」の体験会を開く。

 立ち上げの中心となったのは、代表を務める久保田真由美さん(49)=みどり市笠懸町鹿。2002年に難病の網膜色素変性症と診断された。病気の進行とともに視野が狭くなり、現在見える範囲は健常者の1~2%程度という。

 自分自身の経験から「人間は情報の8、9割を視覚から得るため、情報を得られていない視覚障害者が多い」と感じ、昨年、企業関係者や歩行訓練士ら外部講師を招き、視覚障害者向けのメークや歩行などをアドバイスしてもらうオンラインサロンを始めた。

 その活動を通じて「サロンが視覚障害者に情報を提供するだけでなく、商品開発などを担当する企業関係者らが障害を理解する場にもなった」と手応えを感じ、さらに発展させ、共生社会を実現しようと協会を設立した。

 「温泉プロジェクト」は全国各地の視覚障害者から有志を募り、旅先や地元で温泉旅館などを訪れてもらって視覚障害者への対応を調査する企画。参加者へのアンケート調査結果を集約し、施設側にサービス向上の提案などを行うことを想定している。

 久保田さんは「視覚障害者のやりたいことを実現したり、主体性を持って活動したりできるようにしていきたい」と意気込んでいる。