会見する県農政部幹部=22日午後5時ごろ、前橋市の県庁で

 群馬県は22日、太田市内の養豚場で飼育されているワクチン未接種の子豚11頭がCSF(豚熱)に感染したと明らかにした。県内養豚場での感染確認は6例目。昨年11月の桐生市の養豚場以来で太田市では初めて。同日夜から、この養豚場で飼育されている約3千頭の全頭殺処分を始めた。

 県によると、農場を管理する男性から21日午前10時半ごろ、「4月に入って離乳豚の死亡が増えている」と東部家畜保健衛生所に通報があった。県家畜衛生研究所で検査した結果、子豚11頭に陽性反応が出たため国の研究機関に精密検査を依頼し、感染が確定した。

 この農場では、同保健衛生所の職員が生後45~50日程度でワクチンを接種しており、感染が判明した11頭はいずれも接種直前だった。太田市では今年に入って野生イノシシのCSF感染が多く確認されており、農場はイノシシの侵入を防ぐ防護柵を設置していたという。

 殺処分は27日までの6日間で実施し、農場近くに埋却する。5月2日に農場や埋却地の消毒を終える予定。農水省と県でつくる疫学調査チームが23日に現地入りし、関係者に聞き取りをするなどして感染経路の調査、分析を行う。

 発生した農場の10キロ圏内には養豚場が18カ所あるが、いずれもワクチンを接種しているため出荷制限などはない。

 山本一太知事は「再び豚熱が発生したことは残念。畜産農家や関係者と協力して迅速かつ的確に防疫措置を実施し、これ以上感染拡大しないようしっかりと対応する」とコメントした。

 上毛新聞の取材に対し、県養豚協会の斉田和則会長(58)は「4月は野生イノシシの活動が活発化する時期で心配していた。離乳豚を守るため、地域によってワクチンの2回接種ができるよう柔軟に対策を講じてもらいたい」とした。

 子豚へのワクチン2回接種を巡っては、同協会とJAグループ群馬などが2月中旬、ウイルス濃度が高い地域での2回接種を求める緊急要望書を山本知事に提出。知事は4日に金子原二郎農林水産相と会談し、県管理の下で農家が主体的に2回接種を選択できる指針の運用などを求めている。