新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の新規感染者が急増し、1月から首都圏などで新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が出された。本県では昨年12月から独自の警戒度を最も深刻な4に引き上げ、不要不急の外出自粛を要請しているが、収束の兆しは一向に見えてこない。感染経路で多い家庭内感染を防ぐことは難しいとされ、まずは家庭内にウイルスを持ち込まないことが大切だ。このため、人と接する機会の多い職場での感染対策も重要となる。

事業所対策のポイント

 新型コロナの感染拡大に歯止めがかからない状況を食い止めるためには、クラスター(感染者集団)が発生しやすい各事業所の対策や感染者が出たときの迅速な対応が重要だ。

県は事業所に対して、次の八つの予防策をポイントに掲げる。①熱がなくてものどの痛みやせき、だるさや頭痛などの症状があれば出勤しない、させない②来客対応を最小限に③昼食時に座席を離すなどの工夫④休憩・喫煙時も密にならないように注意⑤こまめな換気⑥不特定多数が触れるドアノブや手すりなどの定期的な消毒⑦移動時は車の同乗を避けるか、同乗する際はエアコンを外気導入⑧基本的な感染予防の継続―の徹底を呼び掛けている。

さらに、勤務形態は、出勤者の7割減を目標としたテレワーク、ローテーション勤務、時差通勤、オンライン会議を活用し、人との接触を極力減らす取り組みを推奨している。

従業員が感染したら

 事業所内の従業員が感染したら迅速に感染者の机やいす、使用したトイレなどをアルコール消毒することが求められる。

 保健所が勤務先の濃厚接触者などの調査が必要と判断した場合は、事業所に連絡が来る。聞き取り調査で、濃厚接触に該当する人はPCR検査などを行う。

 濃厚接触者は、感染者と1メートル以内の距離で、マスクをせずに15分以上会話している場合など、接触状況から判断される。感染対策はもとより、一人一人が行動歴を記録しておくことで、迅速な濃厚接触者の特定につながる。濃厚接触者は検査結果が陰性でも、2週間は自宅待機になる。

 感染者は発症から10日間経過し、かつ症状が改善してから72時間安定していれば退院し、職場復帰できる。勤め先の事業所は感染者への差別などの問題が起きないよう、サポートに努めることも必要だ。

一人一人の行動

 新型コロナの感染経路は飛沫ひまつと接触感染のため、こまめな手洗い、マスクを着用する「咳エチケット」、集団感染を防ぐための「3密」(密閉、密集、密接)の回避といった一人一人の徹底した行動が求められる。

 政府は感染リスクが高まる五つの場面として、①飲酒を伴う懇親会②大人数や長時間に及ぶ飲食③マスクなしでの会話④狭い空間での共同生活⑤休憩室や喫煙所、更衣室など居場所の切り替わり―を挙げ、注意喚起に努めている。

 高熱や強いだるさ(倦怠けんたい感)、息苦しさ(呼吸困難)、発熱やせきが続く、頭痛や下痢、味覚・嗅覚障害、筋肉痛などの症状が出たらすぐにかかりつけ医に電話で相談する。相談先に迷ったら県受診・相談コールセンターに問い合わせ、対応可能な医療機関を紹介してもらう。

 感染拡大に伴い、県内の専用病床の稼働率は高い状態で推移しており、予断を許さない状況が続く。県保健予防課は「基本的な感染対策を徹底し、感染拡大を防いでいくしかない。特に職場や飲食の場面では注意が必要。家庭に持ち込まない行動を心掛けてほしい」と強く呼び掛けている。