マイナンバーカードの群馬県内交付率は今月1日時点で36.7%で、5年間で約5倍に伸びたことが総務省のまとめで分かった。ただ、全国平均は43.3%で、都道府県別では44位と低迷している。カード取得を促すため、各市町村はショッピングセンターに出張申請窓口を開設するなど工夫を凝らす。県民の利便性の向上や行政の効率化にはカード普及が必要だとして、県も国や市町村と連携しながら普及を後押しする考えだ。

 総務省によると群馬県の交付率は2017年3月は7.3%、18年3月は8.9%、19年4月は10.4%、20年4月は13.0%と伸び悩んでいた。

 政府は20年9月、取得者に最大5000円分のポイントを付与する事業「マイナポイント」をスタート。県内交付率は21年4月に22.6%と急伸した。今年1月に新規取得や健康保険証としての利用登録などで計2万円分のポイントを付与する事業も開始。22年4月も36.7%と上昇が続く。

 2万円分のポイント付与は9月末までにカードを申請した人が対象。県業務プロセス改革課は、締め切り前に申請が急増すると想定し、市町村に窓口での対応能力の増強を依頼する。

 カードを使って住民票をコンビニで取得できる県内自治体は増加している。同課のまとめでは前橋、高崎、伊勢崎、沼田、館林、富岡、みどり、吉岡、東吾妻、嬬恋、玉村、千代田、邑楽の13市町村で利用が可能。利用できる市町村は本年度中にさらに増える見込みという。

 県内で交付率が低いのは南牧、昭和、高山の3村の順でいずれも3割未満。全国に比べて交付率が伸び悩む要因について、「自動車免許証を持つ人の割合が高く、身分証としての需要が少ない」と指摘する声もある。県は「小規模な自治体は普及活動に人を割けないケースもあるのではないか」と推測。交付率23.1%の南牧村は「役場が身近で混雑もしておらず、メリットを見いだしにくい」としながらも、窓口で交付を呼びかけるなど普及に向けた取り組みを進めている。

 交付率が4割を超えたのは高い順に神流、前橋、草津、富岡の各市町。44.2%と県内市部で最も高い前橋市は、市内47の郵便局で交付申請ができる。高齢者らのタクシー利用を補助する事業「マイタク」は今月1日から、カードで利用を管理する制度を導入した。

 県は現行のマイナポイント事業は家族4人で活用すると最大8万円分のポイントが付与され、経済的メリットが大きいと指摘。「給付金用口座をひもづけることで素早い支給につながり、利便性も高まる。より多くの県民に交付申請してもらえるよう取り組んでいきたい」としている。