規制線が張られた船戸さん宅。入り口脇には現在も花が手向けられている=26日午前9時ごろ

 群馬県みどり市笠懸町鹿で住宅が全焼し男性が死亡した殺人・放火事件は、30日で発生から1カ月が経過する。桐生署の捜査本部は、燃えがらを集めてふるいに掛けるなど、細かな証拠を見逃さずに収集する地道な作業を続けてきた。広範囲で集めた防犯カメラやドライブレコーダーの映像解析も進め、引き続き109人体制で犯人の行方を追っている。

 亡くなったのは同所の無職、男性(73)で1人暮らしだった。手入れされた庭の木々には1カ月で葉が生い茂り、入り口脇には発生直後と同様に花が手向けられていた。

 地元住民は早期解決を願う。40代女性は「早く捕まってほしい。1カ月前と今で暮らしに変化があるわけではないが、本当に物騒で…」と不安を募らせる。男性(68)は「当初は落ち着かなかったが、県警が絶えず現場を警戒する姿を見慣れてきた」と話した。死亡した男性の親族の1人は「捜査に進展がないのだろうか」ともどかしさを口にした。

 捜査幹部は「摘発後の捜査が立ちゆかなくならないよう、幅広い証拠集めに全力を挙げている」と説明した上で「一歩一歩前に進んでいる実感はある。男性と遺族のために一日も早く摘発したい」と語った。

 捜査本部によると、火災に気付いた近隣男性の119番通報は30日午後7時45分ごろ。男性は消防隊員に1階居間で発見され、搬送先で死亡が確認された。死因は外傷性ショック。顔や頭、首、胴体に皮下出血や挫創が多数あり、肋骨ろっこつや鼻骨など複数の骨折がみられた。午前中に畑仕事をしていたとの情報がある。捜査本部は午後になって激しい暴行を加えられたとみて調べている。