▼〈ソ連地区の残留部隊、収容所判明す〉〈未帰還なお百万、外地邦人の引揚〉。戦後の混乱期にあった1947年5月3日付の本紙を見ると、当時の世情をうかがわせる記事が目につく

 ▼戦地に展開していた部隊の名称や所属隊員らの収容先、シベリアをはじめとした各地からの帰還者数などを克明に報告している。終戦から2年近くが経過しても、敗戦が国民に影を落としていたことが伝わってくる

 ▼一方でこの日の1面トップには新たな社会の構築に期待を寄せた明るい文言も並ぶ。〈民主日本を記念〉〈県下感激の祝典〉。同日の施行を控えていた日本国憲法について大々的に報じている

 ▼〈血と涙でつづられた敗戦の体験から新たに生まれた民主憲法がいよいよ(略)施行〉と記事は切り出し、県内各地で記念イベントが開催されると紹介する。〈平和日本建設の大憲章〉と評された新憲法は今年で施行から75年を迎える

 ▼昭和から平成、令和へと時代は移り、日本を取り巻く環境は様変わりした。時代に即した内容に修正するべきか―。緊迫する国際情勢などを念頭に、今国会でも憲法改正に関する議論が重ねられている

 ▼きょうは憲法記念日。国の在り方を示す最高法規について、国民一人一人がわがこととして考える機会となればいい。「改憲」「護憲」など立場の違いはあっても、内容を知り、十分な理解があれば充実した討議も可能になる。