▼古墳時代の出土品を解説するパネルに「東ローマ帝国」の文字があり、驚かされた。県立歴史博物館(高崎市)の企画展「発掘された日本列島2021」を見た時のこと。広島県福山市の国成古墳から出土したガラス玉は4世紀から5世紀初頭に東ローマ帝国領内で生産されたナトロンガラスを使ったものと記される

 ▼ローマで作られたナトロンガラス製の容器が東南アジアでガラス玉に作り替えられた後、日本に流通したという。瀬戸内海の水運を生かした古くからの交流の広がりは想像以上だった

 ▼「我がまちが誇る遺跡」のコーナーで展示されている。同市のほか、海に育まれた縄文人の暮らしが分かる千葉県市原市の遺跡、室町時代に「大内文化」が花開いた山口市の遺跡が紹介されている

 ▼地域の宝、歴史の素晴らしさを誇り、発信しようとする意気が伝わる展示物に見入った。続けて見た常設展に並ぶ本県の埴輪(はにわ)を前にすると、わが郷土にも豊富な宝があることをうれしく感じた

 ▼山上碑、多胡碑、金井沢碑の上野(こうずけ)三碑がユネスコの「世界の記憶」に登録されてから31日で4周年。こちらも貴重な宝だ。同日、特別公開されるほか、多胡碑記念館などで関連行事も開かれる

 ▼常設展で小学生が埴輪を見つめ、ワークシートに記入していた。コロナ下で学校生活が制約される中、博物館に社会科見学の子どもたちの姿が戻ってきたこともうれしい。