地方で一定期間暮らしながら活動する「地域おこし協力隊」の隊員数が全国的に増える中、群馬県桐生市は定住促進などに向けた支援策を強化している。任期を終えた隊員が新たな事業を始められるように起業支援制度を創設したほか、隊員希望者向けにインターン(就業体験)を導入。地域の実情を理解した人材をつなぎ留め、活性化を図る。

 起業支援制度は退任後の定住を促すのが狙いで、1人当たり100万円を上限に助成。事業所や農地の賃借料、設備・備品の購入などに充てられる。市は「起業のネックとなる資金面を支えたい」としている。

 新たなインターン制度は隊員希望者が一定期間、協力隊の業務に従事する。地域の課題を十分に理解した上で長く活動してもらうため、市は2カ月間の長期にわたる受け入れを想定。募集開始時期は隊員の退任時期を見ながら決める。

 黒保根地域では隊員同士が交流できる活動拠点の整備も進める。昨年夏から稼働していない学校給食用の旧黒保根共同調理場を使い、地元農産物の加工などに取り組んでもらいたい考えだ。市黒保根支所は「隊員が試作品を作ることにも使える」と期待する。

 一方、新里地域は農業振興を進めるため増員を目指す。現在は隊員1人が農業の活性化や販路開拓に携わり、先端技術を活用したスマート農業の導入を視野に入れている。来年1月をめどに1人加える予定で、「地域振興に向けて情報発信量が増える」(市新里支所)とみている。

 総務省のまとめでは、2021年度に活動した隊員数は前年度比541人増の6005人で、初めて6000人を超えた。市内では現在、計8人(旧桐生市3人、新里町1人、黒保根町4人)が活動している。