―岸田政権の評価は。

 岸田首相の「分断から協調へ」という言葉が象徴するように、かつての保守本流、懐の深い自民党を目指している印象を受ける。これまでの新自由主義に偏り過ぎた経済政策からの転換を試みており、与野党の議論がかみ合う土俵ができるのではと期待している。「聞く耳」を自称する首相だからこそ、野党も積極的かつ建設的に政策提言する姿勢が一層求められている。

 安全保障政策を巡り、危機をあおって憲法や非核三原則をなし崩し的に変えようといった姿勢は今のところ感じられない。現憲法の原則を堅持しながら、危機に対して現実的に向き合う議論を野党からも積極的に仕掛けていくべきタイミングだと感じている。

 ―立憲民主党県連は連合群馬副事務局長の白井桂子氏(60)を擁立し、推薦する。有権者に重点的に訴えたい政策と目標は。

 建設的かつ新たな対立軸を示したい。岸田政権が経済政策で「中間層の復活」を打ち出したことは歓迎するが、これは民主党時代からの私たちの看板政策。格差是正に向け、公平な税制改正など自公政権が踏み込めない対案を示したい。

 防衛では「領域警備・海上保安体制強化法案」など憲法の範囲内で国を守る現実的な政策を示し、「憲法を変えなければ国を守れない」などと論理を飛躍させることなく、冷静な議論を求めていく。再生可能エネルギーやブロックチェーン技術など成長戦略分野でも斬新な対案を打ち出し、閉塞(へいそく)感を打ち破る未来志向の政党であることもアピールしたい。

 政権を選ぶのは国民であり、私たちの使命は選択肢を示すことにある。参院選では白井氏の当選を目指すとともに、わが党、そして旧民主党勢力が有力な選択肢たりうる政党であると示し、国民の信頼を取り戻すことが闘いの目標だ。

 ―前回衆院選では県内小選挙区で全敗し、比例復活もかなわず、野党側の国会議員が不在となった。党としての再生には何が必要だと考えるか。

 もう一度本気で政権を志向するならば「数こそ力」を実践している与党の強さを謙虚に学ぶ姿勢が必要。野党が敵前で仲間割れしていては勝負にならない。(民進党が分裂した)2017年以降、立憲民主、国民民主と野党が分かれている状況が続くが、群馬においては「我々は一つ」の精神を貫いてきた。両党の理念・政策のベクトルはおおむね一致している。政策実現という大義のために歩み寄る度量と我慢強さを両党は持つべきで、それが健全な野党として国民の信頼を回復するための絶対条件だと考える。

 ―参院選に向けた県連としての活動は。

 国民に「政権を任せられる」「政策を実現してくれる」と期待を抱いてもらうための活動が重要だ。政策や候補者の人柄を訴え、丁寧な浸透を図りたい。そのためにも立民・国民が一丸となり、再び政権を本気で目指していく姿勢を、有権者にどれだけ見せられるかにかかっている。

 

ごとう・かつみ 県議4期(高崎市区)。県連幹事長を経て2021年12月から現職

 

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