▼先月、館林高校で40年以上続く「強歩大会」を四半世紀ぶりに取材した。一昨年は新型コロナの影響で開催が見送られたが、感染対策を講じた上で昨年再開した

 ▼以前は県境をまたぐ50キロ以上のコース。渡良瀬川の河川敷で早朝、全校生徒が完歩を目指し一斉に駆け出す様子は迫力があった。復活したコースの距離は半分ほど。混雑を避けるため学年別のスタートとなったが、年度当初に生徒が一体感を実感する意義は大きい

 ▼コロナ下での年度が3年目を迎えた。感染拡大後に中学、高校に入学した生徒は、それぞれの学校に伝わる行事ができないまま卒業する可能性もある。「できる範囲で生徒に経験してもらいたい」。在学時に同校の強歩大会を経験した塩田久敬校長は、開催の理由を話す

 ▼中止によって、携わる生徒や教員、保護者が途切れると、運営ノウハウの継承が難しくなる。文書では伝えられないことが多いという点でも、塩田校長は継続の重要性を訴える

 ▼高校生になると、生徒主体で行事を運営する機会が増える。生徒会室に出入りしているうちに、「○○大会実行委員」を任された人もいるだろう。そうした経験を通じて、自主性や創造性は磨かれていく

 ▼対面での行事が減った分、生徒が動画を活用してリモートで交流、発信を図るなど新たな手法も生まれた。当面は手探りが続くだろうが、思い出に残る行事が実現することを願う。

 

しおた・ひさゆき