FFR―CT解析をした実際の画像。色と数値で動脈の状態を表す(同大提供)

 群馬大医学部付属病院(前橋市)は9日、狭心症などを引き起こす血流の状態を検査する新たな解析方法を導入したと発表した。コンピューター断層撮影(CT)画像を米国の専門機関に送り、より詳しく解析する。血管にワイヤーを通す従来の検査が必要なくなり、患者の身体的負担を軽減できる。同病院によると、この解析方法を導入するには厚生労働省の厳しい条件を満たす必要がある。全国でもまだ導入が少なく、県内では初めてという。

 新たに導入した検査方法は「FFR―CT解析」。病院で撮影した心臓のCT画像を専門機関に送ると、約5時間で詳細な分析が終わり、血管や血流の状態を数値や色で表した解析結果が戻ってきて、心臓に酸素や栄養を送る冠動脈に十分な血流があるかどうか確認できる。CT画像は従来の撮影済みデータをそのまま使えるため、追加検査はいらない。

 同病院によると、狭心症や心筋梗塞は冠動脈が動脈硬化によって狭くなり心臓に十分な血液が送れなくなると発症する。従来は冠動脈の血管にセンサー付きのワイヤーを通して血流を調べるカテーテル検査が多く、入院の必要もあったが、こうした負担がなくなる。

 FFR―CT解析は保険適用のため、患者が負担する費用はカテーテル検査の半額程度で済むという。

 同病院循環器内科の藍原和史助教は「痛みも危険も伴わないので患者の身体的、経済的な負担が減る。医療機関としても検査に割いていた手間や人手を治療に充てることができる」と利点を説明している。