地域農業で中核的な役割を果たす群馬県内の「担い手農家」は2020年度末で6729戸となり、過去10年間で最多になったことが県のまとめで分かった。経営規模が10ヘクタールを超えたり、販売金額が5千万円を超えたりする法人など農業経営体も増加傾向にある。農地集積と経営規模の拡大が進んでいることから、県は本年度、生産性の向上を目指す経営体と技術を実証したい民間企業を橋渡しする事業を新たに始める。官民が一体となり、農業現場の課題解決に結びつけたい考えだ。

 担い手農家は、経営の効率化や安定化に向けた改善計画を市町村が認めた農業者や集落営農組織。後継者不足や耕作放棄地に悩む地域農業をけん引している。県は12年度から担い手支援事業として施設や機械の導入補助などを続けており、こうした支援策が増加につながったとみている。

 県によると、20年度の担い手農家は10年度の5568戸と比べて21%増えた。一方、農業経営体は高齢化などを背景に10年で36%減の2万298戸。農業経営体全体に占める担い手農家の割合は増加傾向にあり、初めて3割を超えた。

 農業経営体のうち、経営規模が10ヘクタールを超えたのは20年度が672戸で、10年度の365戸から2倍近く増加。販売金額が5千万円を超える経営体は516戸から703戸に増えた。

 生産性や収益性の向上を目指す企業的な農業経営体をさらに増やそうと、県は2月に一般社団法人「AgVenture Lab(アグベンチャーラボ)」(東京都)と協定を締結。高齢化や人手不足に悩む農家と、創業して間もないため技術を実証する場のないスタートアップ企業をマッチングする事業を始める。

 農家にとっては、ロボットによる農作業の自動化、出荷連絡のデジタル化、ITに強い若者の活用といった利点があるという。県はマッチングを希望する農家をリストアップし、6月以降にスタートアップ企業を現地に案内して情報交換する。県内の農業法人数を20年度の878法人から25年度には1100法人に増やす計画で、「新しい技術を導入して効率化を図り、魅力を高めて持続可能な農業につなげたい」(県農業構造政策課)としている。