仮処分申し立てについて、県庁で記者会見する兵藤さん(中央)ら

 群馬県前橋市を相手に24時間の重度訪問介護などを求める行政訴訟を起こした身体障害者の男性(47)=同市=が10日、提訴後にインターネット上で「ゴミ」「死んでいい」などの誹謗(ひぼう)中傷を受けたとして、掲示板サイトの運営会社に発信者情報開示を命じる仮処分を東京地裁に申し立てたと発表した。投稿者を特定し、損害賠償請求を目指す。

【関連記事】24時間介護求め前橋市を提訴 市内に転居の男性

 男性は、骨が変形する病によって左手がわずかに動かせるだけで、障害者総合支援法の区分は最重度の6。自立した生活が常に難しく、ヘルパーの介護を希望している。

 代理人の下山順弁護士によると、4月11日の記者会見で提訴を発表した後、掲示板サイト「5ちゃんねる」上で誹謗中傷の投稿が相次いだ。

 投稿は「こういうゴミを秘密裏に処分する仕事があるなら就きたい 夜中の介護で延々と二酸化炭素を吸わせて窒息させるとかね」「親が悪いな なんで殺しておかなかったんだろう 24時間寝返りもできないガイジとか死んでいいよ」「こういうゴミクズはマジで死んで欲しい 一体何が目的で生きてるのか意味が不明」といった内容だったという。

 申し立ては9日付。この三つの投稿に使われた端末の特定に必要なIPアドレスなどの情報を、フィリピンに所在するサイト運営会社に開示させるよう求めている。

 開示されれば、男性側でインターネット接続事業者(プロバイダー)を特定し、投稿者の住所や氏名などを開示するよう求める訴訟を起こす。その後、投稿者と直接やりとりしたり、名誉を傷付けられたとして訴訟を提起したりする。

 男性は「そんなに死んでほしいのか、という気持ちになった。身内について言われるのが特につらい」と述べた。下山弁護士は「罵詈(ばり)雑言ばかり。法律上の権利を行使するため訴訟を提起しただけで、ここまで言われる社会でいいのか」と話した。