群馬県は10日、桐生市内の養豚場で飼育されているワクチン接種済みの子豚12頭がCSF(豚熱)に感染したと明らかにした。県内養豚場での感染確認は4月の太田市に続いて7例目。同日夕から、この養豚場で飼育されている約5500頭の全頭殺処分を始めた。山本一太知事は臨時会見で「6例目の太田を含め、原因をしっかり究明して必要な対策を検討したい」と語った。

 県によると、9日午後5時35分ごろ、農場の担当獣医師から「5月に入って離乳豚の死亡が増えている」と東部家畜保健衛生所に通報があった。チアノーゼなどの症状があった生後50日前後の12頭を県家畜衛生研究所で検査した結果、全頭に陽性反応が出たため国の研究機関に精密検査を依頼し、感染が確定した。

 この農場では担当獣医師が生後30~40日程度でワクチンを接種しており、感染が判明した12頭はいずれも4月19日に接種していた。ウイルスを媒介する野生イノシシの侵入を防ぐ防護柵を設置していたという。

 発生した農場は養豚場が密集する赤城南麓地域にあり、10キロ圏内には養豚場が113カ所ある。いずれもワクチンを接種しているため出荷制限などはない。

 殺処分は13日まで実施し、農場近くに埋却する。16日には農場や埋却地の消毒といった全ての防疫措置を終える予定。農水省と県でつくる疫学調査チームが11日に現地入りし、感染経路の調査や分析を行う。

 短期間で相次いで感染が確認されたことについて、山本知事は「衝撃を持って受け止めており、残念。畜産農家や関係者と協力して迅速に防疫措置を実施し、感染が拡大しないよう対応したい」と述べた。国に対し、子豚への2回のワクチン接種などをあらためて求める意向を示した。