14日にリサイタルをする堀米さん

 ロシアによるウクライナ侵攻の音楽界への影響について、14日に高崎芸術劇場でソロリサイタルを開くベルギー在住の国際的バイオリニスト、堀米ゆず子さんが12日までに上毛新聞の取材に応じた。ロシア人の音楽家が職を辞すなど排除の動きがあるとし、「悲劇だ」と疑問を呈した。

 堀米さんは東京都出身。1980年、世界三大音楽コンクールと称されるエリザベート王妃国際音楽コンクールで日本人として初めて優勝した。現在はベルギーを拠点に国内外の交響楽団でソリストを務めるなど活動している。

 堀米さんはロシア、フランス両国の楽団で音楽監督を務めていたロシア人指揮者が、どちらか一方を選ぶように迫られて両楽団を辞任したことや、同国在住の音楽家が侵攻への責任を感じて国外での演奏を控えていることなどを紹介。こうした例の多くについて「おかしな話」と指摘。過去の戦争でも国籍を理由に音楽家や作品が排除されたことに触れながら、「彼らにどんな責任があるのでしょうか」と疑問を投げかけた。

 ベルギーでブリュッセル王立音楽院教授としてロシアを含む14カ国の生徒を教えている堀米さん。ロシア人生徒について「銀行機能が停止され送金などが困難になり、今後の勉学に不安を抱いている」と明かした。その上で「私たちにできることは少ないが、もし自分がそこに置かれていたらと想像することで、見えて来ることもあると思う」と力を込めた。

 14日の公演は高崎芸術劇場が熟練の一流演奏家を紹介するシリーズの一つ。同館の大友直人芸術監督とも親交があり実現した。同劇場は主催公演の会場にウクライナなどを支援するための募金箱を設置しており、14日も受け付ける。