長野原町は12日の町議会全員協議会で、八ツ場ダム建設に伴う生活再建事業の一環で発足し、長野原地区でイチゴ栽培を手がけてきた「長野原園芸生産組合」が今季限りで解散することを明らかにした。組合員の減少や燃料費高騰が要因。水没地区の農地の代替として町が下流都県の負担で建設し、組合に貸していたハウスなどの園芸施設は公売にかける。

 町農林課によると、組合は2008年に地元住民8人で発足した。ダム受益者の下流都県が負担金を拠出する水源地域対策特別措置法(水特法)に基づく事業として、町が10年度に栽培棟や管理棟、育苗棟を建設。組合は施設の賃貸借契約を町と結び、新たな特産品にしようとイチゴ栽培を手がけてきた。

 栽培は当初は順調だったが、組合員の高齢化に伴って担い手が徐々に減少。イチゴの生育不良や老朽化した施設の修繕費がかさむなどして収益が悪化したほか、昨年以降続く燃料費の高騰により、事業継続が難しくなった。現在は季節雇用のパートを含む数人で運営しており、今季限りで栽培を終了する。

 施設は水没地区住民の生活再建のために下流都県の負担で建設した経緯があるため、町は町民への売却を軸に考えている。今月末に現地説明会を開き、6月中に公売を実施する。ただ、土地は別の地権者が所有しているため現在地での事業継続はできず、購入者が施設を別の場所に移す必要があるという。

 担当者は「できればイチゴ栽培を継承してくれる人に託したい。イチゴ栽培での活用を最優先に、町内で売却先を選びたい」としている。