離婚したひとり親世帯が子どもの養育費を確実に受け取れる環境の整備に取り組む群馬県渋川市は本年度、支援を拡充した。昨年10月に始めた公正証書作成費の補助に加え、支払いが滞った際に保証会社から養育費相当額が支払われる「養育費保証」の契約経費補助にも乗り出した。弁護士や司法書士による無料相談もスタート。子どもの健全な成長に向け、ひとり親家庭の経済的安定を後押しする。

 市によると、両親が離婚する際、子どもの養育費について取り決めていなかったり、口約束だったために支払いが滞っても受け取りが保証されないなどして、貧困に陥るケースが少なくない。厚生労働省の2019年国民生活基礎調査によると、相対的貧困率(可処分所得の中央値の半分に満たない人の割合)は全体で15.4%なのに対し、ひとり親世帯では48.1%に跳ね上がる。

 背景には適正な養育費が受け取れていない実態があるとみて、群馬司法書士会が昨夏、公正証書作成費用などを支援する制度創設を県と県内35市町村に要望した。これを受けて渋川市は新たな補助制度を導入。4月から裁判所に調停を申し立てる際の費用の補助も始めた。公正証書を作成したり、裁判所の調停で合意したりすれば法的拘束力が生じ、支払いが滞っても強制的に差し押さえることができる。

 一方、強制執行よりスムーズに養育費を受け取れる手法として養育費保証が近年登場したことから、市は5万円を上限に保証契約料全額を補助することにした。

 併せて、ひとり親世帯の経済的自立を後押しする専任の「母子・父子自立支援員」を本年度から子ども課に配置。相談や支援の態勢を手厚くした。日常の相談業務から、公正証書作成や養育費保証契約などに結び付ける考えだ。

 法律家による相談は偶数月に弁護士、奇数月に司法書士が行っており、相談内容に応じて市が振り分ける。同課は「子どもの養育費で苦労しないよう制度を活用し、困ったことがあったら遠慮せず相談してほしい」としている。