明治から大正時代に造られた「旧富岡倉庫」(富岡市富岡)の改修工事完了を祝う式典が15日、同所で開かれた=写真。行政関係者や建設業者、近隣住民らが出席し、同市の世界遺産、富岡製糸場を訪れる観光客と市民の新たな交流拠点として整備された歴史的建築物群の再出発に期待した。

 倉庫群は1~3号の3棟からなる。上信電鉄上州富岡駅の目の前にあり、かつて繭や穀物の保管庫として使われていた。

 市は2016年に民間事業者から倉庫群を取得、17年に設計され、18年に着工した。19年には、木造平屋の3号倉庫が、飲食可能な物販店としてオープン。れんが造り2階建ての1号倉庫は県立世界遺産センター(セカイト)の展示施設として20年に開所した。石造り2階建ての2号倉庫は、障害者雇用のパーソルサンクス(東京都)が、今年4月からカフェを営業している。

 芝生スペース(820平方メートル)を含む広場全体(4700平方メートル)と、公衆トイレの整備完了を受け、この日に式典を開いた。総工費は約11億8400万円。榎本義法富岡市長は式典で「憩いの場として市民から愛される場所になってほしい」と述べた。

 設計を担った隈研吾建築都市設計事務所(東京都)の横尾実社長は「回遊性の向上と歴史的建築物の面影の維持にこだわった」と説明。絹糸をモチーフにし、白色の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で全棟の耐震補強をしたと話した。れんが造りと石造りの建物をCFRPで補強した事例は日本初だという。

動画再生できない方はこちら
>> https://youtu.be/iIbW1mCA56U