行楽客らの車で混雑する赤城高原サービスエリア(関越道上り)=7日

 今春の大型連休は3年ぶりに新型コロナウイルスに伴う行動制限を受けず、群馬県内の4大温泉地(草津、伊香保、水上、四万)の宿泊者数や客室稼働率が大きく伸びたことが16日、分かった。伊香保温泉の宿泊者数は4月29日~5月5日の期間で、前年比68.0%増の2万6326人に上った。温泉地のにぎわいが回復する一方で、密集を避けるため部屋をフル稼働できず、コロナ以前には回復していない実情もある。群馬県や隣接県の県民割による連休明けの集客にも期待が大きい。

 渋川伊香保温泉観光協会の関口征治会長は16日、渋川市役所で開いた定例会見で「天候にも恵まれ、石段街は歩けなくなるほど混雑していた。日帰り客も多かったようだが、忙しくさせてもらってありがたい」と胸をなで下ろした。

 伊香保の宿泊者数は前年より1万人余り多かった。ただ、コロナ流行以前は同じ期間で3万人を超えており、2019年との比較では22.2%減だった。

 今年の大型連休は曜日配列の関係で、4月29日~5月8日に最大10連休を取れる人もいた。同協会によると、この10日間での宿泊者数は約3万2千人。前年と比べ、1日当たりの平均で千人ほど多く、客室稼働率は15.3ポイント高い64.0%だった。

 草津温泉(草津町)で湯もみショーが楽しめる観光施設「熱乃湯」の入り込み数は、この10日間で前年比1.8倍。19年比の7割まで回復した。草津温泉観光協会の福田俊介事務局長は「満室になる宿もありにぎわっていた。2世帯、3世帯の旅行客も多く、行動制限のない連休で客層の幅が広がった」と話す。20年は緊急事態宣言で休業、21年は移動制限がかかっていたことなどから、集客が難しかったという。

 1日当たりの客室稼働率は水上温泉郷(みなかみ町)が17.3ポイント高い62.4%、四万温泉(中之条町)が8.8ポイント高い68.1%だった。食事処(どころ)などで宿泊客同士の距離を取るために満室にできないジレンマも抱えており、コロナ下では空室があっても「満室」とする旅館も多い。

 みなかみ町観光協会の山賀晃男専務理事は「19年比で宿泊客数は5割程度の水準にとどまる。ダムやホタルといった観光資源をPRして誘客につなげたい」と力を込めた。四万温泉協会の宮崎博行事務局長は「密を避けるため入れたくても入れられない」と嘆きつつも、県民の宿泊費を補助する県事業「愛郷ぐんまプロジェクト」など、今後の県民割による例年以上の集客に期待した。