「答えのない答えを自分たちで探したい」。プロジェクトについて語る堤准教授=前橋工科大

 老朽化する前橋市の広瀬団地=ズーム=に自ら暮らして課題を探し、解決策を模索する前橋工科大の学生たち。取り組みは始まったばかりで、息の長い試みだ。指導に当たる堤洋樹准教授(49)は、学生が活性化を「手伝う」のではなく、楽しみながら主体的に関わることが強みと考える。その上で、住民がまちづくりを考えるきっかけとなることも期待する。

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 -公営団地は全国的に老朽化が進む。

 全国の団地は、1960~70年代の高度経済成長期に一斉に造られた。それが今、老朽化と住民の高齢化が進んでいる。

 子ども世代が引き続き住んでくれれば問題ないが、多くは大人になって転出してしまう。結果的に高齢者が残り、少子化とともに人も少なくなる。広瀬団地は群馬県で最大クラスの団地で、そうした現象が顕著だ。

 -広瀬団地周辺はシャッターが閉まっている店も多い。

 入居当時、子どもが2、3人いた家庭が数十年後、高齢世帯、単身世帯になっている。人口は、団地ができた当時の半分から3分の1程度になっている可能性が高く、そうなると周辺の商店はやっていけないだろう。車での移動が前提だと、買い物も郊外のショッピングモールに行けばいい。団地の立地している場所や、群馬県の交通事情も影響している。

 -前橋工科大のプロジェクトは、団地が直面しているさまざまな課題に、学生が向き合う。

 目玉は、学生が居住者として、主体性をもってまちづくりに関わることだ。全国的に見れば団地の活性化に学生が携わるプロジェクトはあるが、「お手伝い」という位置付けが多い。当事者として取り組めるのは大学の強みだと思う。

 活動の前提は、まず自分たちが楽しむこと。自分たちが一番良いと思う環境を自分たちでつくる。そこへ住民やお年寄りも入ってきてほしい。学生だけでなく、住民もまちづくりを考えてもらうきっかけになればいい。

 -若者と高齢者が交流する場をつくるのは簡単ではない。

 多くの場合、高齢者向けの施設は若い人は入れないし、逆に若い人向けの施設に高齢者は入りにくい。施設の名前や目的で、対象者が決まってしまう。そういった線引きを取り払うだけでも違うと思う。

 団地内で誰もが利用できる「広瀬ステーション」はそういうつもりでつくっている。何かしらの接点、きっかけをつくりたい。