国勢調査の「センサスくん」と「みらいちゃん」(総務省統計局のウェブサイトから)
経済センサスの「ビルくんとケイちゃん」(総務省統計局のウェブサイトから)
住宅・土地統計調査の「ハウス君」(住宅・土地統計調査のフェイスブックから)
毎月勤労統計調査の「まいちゃん きんちゃん」(厚生労働省ウェブサイトから)
農林業センサスの「つっちー」(農林水産省ウェブサイトから)

 「安易なネーミングですね」―。群馬県が公開するウェブサイト「ぐんまの統計」が、サイト内のコラムで、国の統計調査のキャラクターを紹介しつつ、痛烈なツッコミを連発している。お堅いイメージが強い統計調査。読んでみれば、ちょっと身近に感じられるかも。

 キャラクターを紹介したコラムは、2020年3月4日掲載の「第11回 統計調査とたのしいなかまたち」。国勢調査や毎月勤労統計調査、経済センサスなど六つの統計のキャラクターを「統計調査にみずみずしさを与えている」存在として取り上げた。

「大御所」も「かわいさに欠ける」

 最初の〝ターゲット〟は、国勢調査のキャラクター「センサスくん」「みらいちゃん」。国内に住む全人口・全世帯が調査対象となることから、総務省は未来を担う赤ちゃんをイメージした。コラムは「赤ちゃんにして統計調査界の大御所」と持ち上げたかと思えば、「なんだかよくわかりません。あと、イラストが少しかわいさに欠けています」と切り込んだ。

 事業所や企業の経済活動の実態を明らかにする経済センサスでは、思いも寄らない深読みを発揮する。本来のキャラクターは、ビルと経済を象徴する¥マークの「ビルくんとケイちゃん」だが、近年は本家を差し置いて、センサスくんが登場するケースが多いと情勢の変化を逃さずキャッチ。ビルくんとケイちゃんを「センサスくんよりもずっとかわいい」と高く買うものの、「政治力が足りなかったのかもしれません」と独自の見立てを続けた。もう統計キャラ評論家の域に達している。

群馬名産にそっくり?

 住宅・土地統計調査は、家屋をモチーフにした「ハウス君」がキャラクター。5年に1度の調査のため、「5年に一度しか会えない珍しいキャラクター」と説明。キャラクター設定に違和感があったようで、「住宅・土地統計調査なのに、『土地』を担当するキャラクターはいません」とチクリ。土地のキャラクター化は難しかったのではないだろうか。毎月勤労統計調査の「まいちゃん きんちゃん」は、「安易なネーミングですね」と真正面からツッコミを浴びせた。

 群馬県ならではの視点も忘れていない。土壌から発芽する様子をキャラクターにした農林業センサスの「つっちー」が、群馬の特産品に似ているというのだ。「群馬県内の担当者に限り『こんにゃくいも』と呼ばれ親しまれています」。そうなると、全国の8割を生産する北海道では、ジャガイモと呼ばれることになりはしないか。

身近な話題で発信

 サイトでは18年12月から統計に関するコラムを不定期に掲載。現在は21年11月の第17回まで掲載され、世相や身近な話題と絡めて統計の情報を発信している。

 コラムについて、群馬県統計課に聞いてみた。通常は職員が分担して執筆し、課内で内容を共有した上で掲載している。ただ、統計のキャラクターを紹介した回に関しては、公開が2年余り前であることから詳細な経緯は分からないという。

 それにしても、行政としては型破りとも思えるこのコラム。省庁のキャラクターに次々とツッコミを入れる展開に、関係ない立場ながら少し肝を冷やしたが、統計課は「内容は差し支えない」との回答だった。コラムは他にも〝推し〟のキャラクターを見つけてみてはと呼びかけ、「統計調査についてもご面倒とは存じますが、皆さんのご協力もお願いします」と行政らしく結んでいる。