藍染めの技術を守り続ける中田社長(後列右)ら

 藤岡市で4代続く藍染め・染め物の専門店。昔ながらの有松絞(ありまつしぼり)で、衣料品などを深みのある藍色に染め上げる。1点ずつ違う表情が見られる模様も魅力だ。

 有松絞は、名古屋市緑区の有松地域などで作られる木綿絞りの総称で、布をくくってさまざまな模様を描き出す。くくり方や縫い方、ひだの取り方の違いで模様を表現するが、中田圭介社長(44)は「無限に模様が出せる。どれだけ濃くしても色に透明感がある」と魅力を語る。

 原料の藍は、北海道や生産量が全国1位の徳島県から取り寄せる。丁寧な染色と藍の酸化を繰り返しながら色の濃さを調整していく。染みや色あせで着られなくなった洋服の染め直しの依頼も多いという。現在は、妻の聡子さん(43)と、3代目で父の正幸さん(70)、母の尚子さん(68)の4人で伝統を守っている。

 技術の高さが認められ、建築家の隈研吾さんが設計した富岡市役所の1階にあるカウンターのパーティションに、同社の藍染めが使われている。2017年に同市から依頼を受け、幅1メートル、長さ100メートルの布を1カ月かけて染め上げた。

 藍には抗菌や止血の作用があるといわれ、鎌倉時代から武士が合戦で着用する甲冑(かっちゅう)の下に藍染めの衣服を身に着けていた。「古くから親しまれてきた」と中田社長。「ずっと変わらない、藍染めにしか出せない色を楽しんでほしい」と話している。

これも自慢
 藍染めには紫外線防止効果もあり、これからの季節には、衣料品のほか、手軽に着用できるストールもお薦め。若者にも気軽に楽しんでもらえたらと、オンラインショップでTシャツも販売している。

【会社メモ】1918(大正7)年に東京で着物の「黒染め」を専門とする中田屋本店として創業。23年の関東大震災で被災し、地元の群馬に戻った。着物産業の衰退とともに3代目から藍染めに転向した。県内外の百貨店の催事で販売。問い合わせはメール(info@nakada-ya.com)で。