認定証を手にする高橋代表(右)ら

 質の高い認知症ケア提供に向けた福祉施設の取り組みを評価する日本認知症ケア学会の認定制度で、群馬県から初めて「デイサービスセンター福」(前橋市)が選ばれた。同施設は「利用者や家族が、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる環境を提供したい」としている。

 同学会は医療・介護現場などでの認知症への理解促進を目的に医師らが2000年に設立。厚生労働省の推計で25年に認知症の人が700万人を超すとされる中、質の高い認知症ケアを普及しようと、18年に認定制度を創設した。

 学会が認定する民間資格「認知症ケア専門士」の人数など7項目を満たす必要があり、全国で29施設が認定を受けている。

 同施設は認知症ケア上級専門士の2人を中心に、認知症がある利用者の希望に沿った施設環境の整備やサービス提供に取り組んできた。他施設で受け入れが難しいとされた人も積極的に受け入れているという。

 地域の自治会や他施設職員向けの研修を通じて認知症に関する正しい理解の促進などに取り組んでいることや、コロナ下で利用者と家族の面会が制限された際に条件付きの面会方法を考えたり、利用者の家族に日々の写真を送るなどした姿勢も評価された。

 施設の運営会社代表で県認知症ケア専門士会長の高橋将弘さんは、認知症の人に見られる徘徊(はいかい)や暴言、暴力などを「困り事のサイン」と強調。「受け入れる側が正しく意味を読み取り、対応することで、こうした行動を減らせる」と指摘する。

 その上で「正しい知識や関わり方は施設の働き手のストレス軽減にもつながる。現場で働く人が認知症ケアの考え方を理解し、専門性を高めることが必要」と述べ、認知症ケアのさらなる質向上に意欲を見せている。