▼大学生だった30年ほど前、アルバイトを掛け持ちして学費や生活費を稼いだ。バブルが弾ける前で求人がたくさんあったから卒業できたようなものだ。しかし、新型コロナウイルスの影響が続く今だったらどうだったろうと心配になる

 ▼先日、コロナ下の学生を支援しようと、県立女子大でイチゴの無料配布が行われた。玉村町で観光農園を営む種岡義行さん(47)が「アルバイト収入が減って困っている学生を励ましたい」と450人分を用意した

 ▼学費に奨学金を充て、自分で生活費を稼いでいるという学生は「コロナが広がると勤務先のコンビニが閉店し、急いで別の仕事を探した」。学習塾講師の学生も「授業ができなくなって収入が半分になった。お米を減らして食費を切り詰めた」と話した

 ▼温泉地に実家があるという学生は「お客さんが全く来なくなった」と振り返る。経済的に不自由はないという声もあったが、苦学生ほど発信力が乏しく、実態が見えにくいと感じた

 ▼種岡さんは10年前に脱サラして観光農園を始めた。大雪で施設が全壊するなどの苦難もあったが、「創業も復旧も助けてくれた地域に恩返ししたい」と語る

 ▼町が進める食料支援事業への参加が学生に援助する契機になったという。長引く新型コロナは経済をはじめ生活全般に影を落とし続けているが、困窮する人たちに目を向ける人がもっと増えるといい。