第1次安倍内閣で財務相を務め、4月に89歳で死去した元自民党衆院議員の尾身幸次さんの葬儀が20日、前橋市のベイシア文化ホール(群馬県民会館)でしめやかに営まれた。尾身家と縁が深く、葬儀委員長を務めた安倍晋三元首相は「尾身先生はまさに情熱の政治家だった」とあいさつ。政財界を中心に全国から約1500人が駆け付け、尾身さんの人柄と功績をしのんだ。

 白い花で彩られた祭壇の中央に遺影が飾られ、旭日大綬章と正三位の証書が並べられた。科学技術立国の実現に向けて奔走した尾身さんの半生を映像で振り返った後、同党の福田達夫総務会長が岸田文雄首相の弔辞を代読。細田博之衆院議長が弔詞を朗読した。

 弔辞で、山本一太知事は「信義や恩義を大切にし、厳しさの中にも優しさがあった」と別れを惜しみ、連合後援会長を務めた曽我孝之県商工会議所連合会長は「信念を持って行動する姿は多くの人の心の中で生き続ける」と述べた。

 安倍元首相は父の故晋太郎元外相の秘書時代に尾身さんと初めて会った際のエピソードを披露。「父が『尾身幸次はすごい男だ。必ず日本のためになる』と語っていたことを今でも覚えている」と懐かしんだ。

 喪主で長女の尾身朝子衆院議員は、科学技術基本法の制定や沖縄科学技術大学院大学の設置などを挙げ「何もないところから興すことが信条だった。父が創ったものをこれからしっかり育てていくことが私の使命」と誓った。

 開式に先立ち、森喜朗元首相が会場で献花した。