群馬県渋川市北橘町の市有地にある巨石「硯石」を正式な手続きなく掘り起こしたとして、市が作業に携わった市議会議長の望月昭治氏(70)に石を埋め戻すよう求めている問題で、望月氏は20日、市を相手に埋め戻す義務がないことを確認する民事訴訟を前橋地裁に起こしたことを明らかにした。

 硯石は浄土真宗の祖、親鸞聖人が墨をすって歌を詠んだとの言い伝えが残る。指定文化財ではなく、掘り起こされるまで草や土に埋もれた状態だった。

 訴状によると、望月氏は地元自治会から硯石の周辺整備を相談され、市の担当部署と調整して掘り起こしを決め、2019年7月、望月氏が役員を務める建設会社が掘り起こし作業を終えたと主張している。

 その上で、高木勉市長が同年9月に「(手続きが)適正な処理でなかった」などとし、直後に立ち上げた調査委員会の意見書などを踏まえて原状回復を求めていることに対し、「市と同意があった」として埋め戻す義務はないとしている。

 高木市長の発言で自身の社会的評価が低下したとして、300万円の損害賠償も求めている。

 望月氏は上毛新聞の取材に「最初に高木市長に相談し、市の担当の指示に従って動かした。うそを言われて納得いかない」としている。渋川市は「硯石は正式な手続きなく、望月氏により掘り起こされ、傷ついたことは事実。訴状を見た後、適正に対応したい」とコメントした。