男性のドライブレコーダーに写っていた落下物

 「修理費は全額自己負担。何とかならないか」。3月中旬に運転していた車が道路上の落下物に乗り上げ、オイルが漏れるなど損傷を受けたという群馬県前橋市の男性(45)から疑問の声が寄せられた。落下物があったことは自分の責任ではないだけに納得できないという。警察や弁護士に取材すると、誰が落としたか客観的な証拠がない場合、落とした人や道路管理者の責任を追及するのは簡単ではないようだ。

 男性によると、黒っぽい石のような落下物に乗り上げたのは前橋市内の路上。前を走っていた車の通行後、急に目の前に現れたように見えたという。「避けるのは難しかった」と振り返る。

 その後、車の異変に気付いて停車し、警察に通報。乗り上げた後に転がる様子がバックミラーに見えたため、警察官と現場に戻って周辺を探したが、見つからなかった。男性の任意保険は自分の車だけが壊れた場合は保険金が出ないプランだったこともあり、自費で修理したという。

 交通事故問題に詳しい高山俊吉弁護士(東京)によると、今回のようなケースで落下物自体や落とした人が見つからないからといって、道路管理者が落下物を放置したと捉えて責任を追及することは困難という。

 例に挙げたのは、自転車の少年が路側帯でセメントれんがの破片に乗り上げて転倒し、後方から来た車にはねられ死亡した事故の民事裁判の判例。少年が前方に注意して進めば乗り上げを回避することができたなどとして、裁判所は運転手や道路管理者に責任はないと判断した。

 高山弁護士は「責任を問いたい心情は理解できる」とした上で「今回の落下物が発生した経緯が分からなければ、管理者が道路の安全を確保するために対処し得る状況だったかなども判断できない」と指摘した。

 県警によると、道路の落下物に乗り上げたり、飛び石がぶつかったりして車が破損した場合、落とし主や飛び石の起因となった車が分かる客観的な証拠がなければ捜査も難しいという。

 山間部では飛び出したイノシシやシカと車が衝突する事故も多い。「道路にはいつ何が落ちているか分からない。特に高速道路ではとっさの回避行動が大事故につながるので、注意して運転してほしい」(交通指導課)とした。

情報をお寄せ下さい

 素朴な疑問や地域の困り事、不正の告発といった情報をお寄せください。情報源の秘匿は厳守します。誹謗(ひぼう)中傷を含んだり、係争中だったりする内容は取材できない場合があります。

 投稿フォームはQRコードから。郵送は〒371―8666 前橋市古市町1―50―21。ファクスは(027-251-4334)。住所、氏名、電話番号、メールアドレスを明記してください。宛先は上毛新聞「みんなの疑問 特別取材班」係です。