赤城山大沼周辺の群馬県立赤城公園(前橋市)の活性化を目指す基本構想について、県が3月中としていた策定時期を延期していることが分かった。2~3月に構想案に対するパブリックコメントを行ったところ、自然保護への懸念など直近5年間で最多の357件の意見が寄せられたためという。県は案の段階で確定したものではないとし、意見を分析して構想案への反映を検討していく。

 基本構想は持続可能な公園の管理運営や、周辺の商店・宿泊施設の担い手育成に向け、自然環境などを有効活用するために策定する。利用者アンケートや地域住民らとの協議を重ねて案をつくった。

 構想案はキャンプ場や宿泊施設、カフェなどが「利用者に期待されている」とし、①覚満淵湖畔へのコテージ建設②小沼湖畔にグランピングができる施設の設置―などを提案。「豊かな自然を保全しながら地域の持続的な関係や循環を最大化させる」としている。

 県に意見書を提出した県自然保護連盟の棚橋弘事務局長は、構想案は自然保護と環境教育の視点が抜け落ちていると訴える。覚満淵や小沼に宿泊施設を設ける構想は受け入れられないとした上で「案の段階ということなので、自然保護と利用が両立するように県としっかりと意見交換していきたい」と話した。

 同じく意見書を提出した県山岳団体連絡協議会の根井康雄事務局長は、宿泊需要への対応ならば既存施設の改修でも対応できると指摘。「利用者として一番多い登山客がお金を使いたくなるような施策の方が、赤城山にマッチした開発になる」と主張した。

 県自然環境課は「関係団体とも意見交換しながら、赤城山の利用と保全を両立できる基本構想にしていきたい」としている。