楽しい音楽とトークで会場を盛り上げたタニケンさん(中央)ら
地元高校生も参加し活発な意見が交わされたパネルディスカッション
古新聞を利用し、バッグ作りに取り組む親子連れ
抽選会で内山社長・主筆から1等の景品を受け取る来場者

 新聞に親しんでもらうイベント「上毛新聞フェスタ」(上毛新聞社主催)が21日、群馬県みどり市のグンエイホールPAL(笠懸野文化ホール)で開かれた。新聞をテーマにしたパネルディスカッションや工作体験、歌手のタニケン(谷本賢一郎)さんによるファミリーコンサートなどが行われ、事前に申し込みのあった市内外の親子連れら約230人が参加した。

 パネルディスカッションは、「新聞党」代表の渡辺秀人さん(前橋市出身)と地元の高校生2人、上毛新聞記者が登壇。エフエム群馬パーソナリティーの内藤聡さんが進行役を務め、さまざまな情報を扱う新聞の役割や業界の将来などについて語り合った。

 会場では、上毛新聞の号外や重要ニュースを報じた紙面がパネル展示されたほか、新聞を使ったエコバッグやスリッパ作りが行われた。来場記念のオリジナル号外を配布するコーナーも設けられた。

 新聞の魅力を伝える同フェスタは2019年度に始まり、今回で5回目。あいさつした内山充社長・主筆は「新聞と遊び、触れ合い、楽しんでほしい」と呼びかけた。

 娘2人と参加した鈴木佐江子さん(46)=みどり市笠懸町=はパネルディスカッションに聞き入り、「若い世代の新聞に対する考え方が新鮮だった」と話した。

ネット時代こそ新聞読む意味が

 21日に開かれた上毛新聞フェスタでは、パネルディスカッションが行われ、高校生らがネット時代の情報との接し方や、若者の視点からの新聞への期待などを話し合った。子どもに人気のタニケン(谷本賢一郎)さんのコンサートや、豪華賞品が当たる抽せん会も行われ、盛り上がった。

 パネルディスカッションには渡辺広報事務所代表の渡辺秀人さんと桐生第一高3年の森祥子さん、桐生高3年の松平陽向さん、上毛新聞社の千明良孝桐生支局長の計4人が登壇した。エフエム群馬パーソナリティーの内藤聡さんがコーディネーターを務めた。

 森さんは新聞2紙を、毎日帰宅後に5~10分読んでいると紹介。小説など活字好きで「ネットだけでは情報に偏りが生じる。(情報を)うのみにするのは危険、まず疑ってみる必要がある」と強調した。生徒会と塾で帰宅が夜遅いという松平さんは「ウクライナ情勢が気になる。兄が海上保安庁勤務なので、国防に関心がある」と話した。

 渡辺さんは「若い人は、情報リテラシーが想像よりも高い。心配なのは通勤途中にスマホゲームに夢中な大人だ」と指摘した。高校生から取材姿勢を問われた千明支局長は「新聞は歴史の記録者、記者個人の立場や信条に左右されてはならない―と新聞倫理綱領で定めている」と紹介。「賛否両論を並べることで、読者が深く考える機会を提供している」と説明した。

 渡辺さんは「新聞には、詰めが甘い記事は載らない。記者は使命感と責任感を持って記事を書いている」とも強調。内藤さんは「記者やカメラマンの思いが分かり、新聞を開く瞬間の喜びや、読むことで知識が増えることなど、新聞をキーワードに有意義な時間が持てた」と締めくくった。

 コンサートでは、タニケンさんがみどり市出身の石原和三郎作詞の「うさぎとかめ」「はなさかじじい」を熱唱。自身の曲「LOVEをプレゼント」などでは、子どもたちが全身を使って歌を楽しんだ。フェスタを締めくくる抽選会では1等賞、空気清浄機能付きファンヒーターが桐生市相生町の諸田サト子さん(80)に贈られた。

新聞でエコバッグ作り

 新聞工作体験には、親子連れ10組約20人が参加した。新聞紙をさまざまな形に折って、エコバッグやスリッパ、ごみ箱を作って楽しんだ。

 参加者は新聞をめくり、バッグの模様になる広告や新聞記事を思い思いに選んだ。花やキャラクター、好きなスポーツ選手の顔といった柄が表に出るようにしてバッグを作ると、子どもたちは「すごい」「簡単にできた」と盛り上がっていた。

 家族で制作に励んだみどり市笠懸町の片岡明希さん(9)は「新聞紙でバッグができるなんて驚いた。かわいいバッグができた」と喜び、弟の睦晶ちゃん(4)は「友だちにも教えたい」と笑顔で話した。

重大ニュースの紙面パネル展示

 会場の中央には、1945年からことしまでの重大ニュースを報じた上毛新聞の号外や1面のパネル13点が展示された。

 終戦(45年8月)や群馬県出身の福田赳夫内閣発足(76年12月)が報じられた1面や、本県関係のスポーツ選手が五輪・パラリンピックで活躍した際の号外などが並んだ。

 日航ジャンボ機墜落事故で生存者がいたことを伝えた紙面(85年8月)を見た真下弘一さん(59)=伊勢崎市今泉町=は「今でも良く覚えている。記者が山を登って現地まで行ったことを想像するとすごい」と感慨深そうに話した。