半導体製造装置の部品加工のために新たに導入したマシニングセンタ

 切削加工を手がける長井精機(群馬県高崎市上豊岡町、長井宏幸社長)は、半導体製造装置の部品加工に参入した。原子力発電所の稼働停止により、主力のタービンブレードの受注が減っており、世界的に需要が高まる半導体分野で巻き返しを図る。国内外で加速する半導体増産に向けた動きが、県内の中小企業にも現れ始めた。

 同社敷地内に750平方メートルの専用工場を建設中で、今夏に稼働させる。部品加工には既に昨年10月から着手しており、長野県の半導体製造装置の部品メーカーから受注を獲得した。請け負うのは装置に使われる部品で、5月は売上高の1割を半導体関連が占める見通しとなっている。

 同社は、発電所向けや産業用のタービンブレードが売り上げの9割以上を占めていたが、東日本大震災後に原発が稼働を停止して以降は受注が減少。高温、高圧の環境で高速回転するタービンブレードは硬い金属を高い精度で加工する必要があり、その技術が評価されたことが半導体分野参入の足掛かりとなった。

 現在所有するマシニングセンタと呼ばれる切削加工機約50台のうち、新規導入した3台に加え、既存の2台を半導体関連に振り分けた。従業員の習熟度が向上して生産効率が高まれば、さらに受注を増やしていきたい考え。工場の建設費やマシニングセンタの導入費として、国の事業再構築補助金6千万円を充てた。

 長井社長は「タービンブレードに加えて半導体分野をもう一つの収益の柱に成長させたい」と話している。

 半導体を巡っては、第5世代(5G)移動通信システムや電気自動車(EV)向けの需要拡大を背景に、世界的な供給不足が続いている。高崎市にも拠点を持つルネサスエレクトロニクス(東京都)が、過去に閉鎖した甲府工場(山梨県)での生産を2024年に再開させることを発表するなど、国内外のメーカーが増産の動きを見せている。