虐待などで家庭に居場所のない子どもらを一時的に保護し、衣食住を支援する群馬県内初の民間施設「子どもシェルター オズ」が開所1年を迎えた。運営に携わる舩戸いずみ弁護士によると、1年間で県内の15~19歳の6人を支援した。「豊かな社会でも苦しみ、助けを求めている子は多い」と施設の重要性を訴えている。

 同施設は昨年5月20日に開所し、児童相談所の支援対象ではない18、19歳も保護するのが特徴。おおむね15~20歳未満の女性を対象に受け入れている。

 舩戸弁護士らによると、6人は日常的な親の暴力やアルバイト代の搾取などの家庭環境に限界を感じ、自分の意思で逃れてきた。交流サイト(SNS)で施設を知り、たどりついた利用者もいた。うち5人は2週間から数カ月間滞在した後、家庭に戻ったり、自立した新たな生活を選んだりして巣立った。

 ホーム長の女性は施設の場所の特定を避けるために匿名で取材に応じ、利用者の共通点として大人びた振る舞いや、スタッフをよく観察する点を挙げた。特に高年齢の利用者について「長年耐えてきた経験から頼れるのは自分だけ。大人は信用しないと割り切った風に感じた」と指摘する。

 一方で、所在地の特定を避けるためスマートフォンの所持を禁止していることもあり、利用者は自然と話し相手を求める傾向がある。悩みや将来に関する相談には弁護士が個別対応するため助言はせず、話を受け止めることを心がけているという。

 スタッフとゲームに興じる中で利用者が笑顔を見せたり、今後やりたいことをぽつりと語ったりすることもあった。「わずかな会話でも人付き合いの練習になれば」と願っている。

 2年目に入った施設について「人生のうちの一時を落ち着いて過ごし、将来につながっていく居場所にしてほしい。出発するときは、おめでとうと送り出したい」と強調している。

 施設に関する問い合わせは、運営するNPO法人「子どもシェルターぐんま」事務局(☎027-212-6080)へ。