新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を巡り、米モデルナ製の多くが5月下旬に使用期限を迎えることで、群馬県内の一部自治体ではモデルナ製ワクチンを廃棄せざるを得ない見通しが高まっている。太田市は23日、使用期限が28日の約3750回分を廃棄する方針を明かした。県によると、太田以外も含め県内で廃棄されるモデルナ製ワクチンは1万回分を超える可能性もある。県は各市町村に聞き取りを行い、実態把握を進めている。

 太田市新型コロナウイルス感染症対策室によると、使用期限切れで廃棄予定のモデルナ製は2月3日に分配された約6450回分の一部。清水市長は記者会見で「一時期、ワクチン不足で大騒ぎしていたのにもったいない」などと嘆いた。

 上毛新聞が太田市以外の県内11市に使用期限に伴う今月末時点のワクチン廃棄の見通しを確認したところ、沼田を除く10市が回答。高崎、桐生、伊勢崎など9市は廃棄予定がなく、前橋は「精査中」とした。

 県ワクチン接種推進課によると、廃棄の見通しなのは、市町村が地域の医療機関などで進めているワクチン。国から2月以降に納入されたもので、5月下旬が期限となっている。

 廃棄の可能性が高まっている背景には、若い世代を中心に追加接種の意欲が少なく、接種が進んでいないことや、モデルナ製は比較的副反応が重いとの不安から米ファイザー社製を希望する住民が多いことなどがあるとみられる。高崎、太田両市に開設されている県営接種センター分の廃棄はない見込みという。

 県はこれまで、廃棄の恐れがあったことから、使用期限の迫っているワクチンから優先的に使うよう市町村に呼びかけてきたほか、広域的な自治体間のワクチン調整を行ってきた。

 同課の担当者は「無駄にならないよう対策を講じてきたが、接種が進まず、一定数が廃棄される見通しとなったことは残念。ただ、国は接種の安定化のため、過剰量を供給するという体制を取ってきたこともあるので、やむを得ない」と語った。