群馬県伊勢崎市の住民グループが管理する「地域猫」が大けがをし、虐待が疑われるケースが相次いでいる。グループによると、2018年の管理開始以降、背中の皮がはがれるなど25匹以上が大けがをし、うち3匹が死んだことを確認した。木村房枝代表(75)は「メンバー全員が悲しんでいる。地域猫の活動を理解してほしい」と訴えている。

 地域猫活動は、鳴き声やふん尿被害の軽減に向け、飼い主がいない猫を減らすための取り組み。野良猫を捕獲して不妊去勢手術を施し、繁殖を防いだ上で元の場所に戻す。ルールにのっとってえさを与えたり、トイレを設置したりして見守る。屋外で暮らす猫の寿命は数年といわれており、今いる猫を適切に管理しながら自然に数を減らす狙いがある。

 木村代表らのグループは18年に活動を始め、19年以降で90匹以上に不妊去勢手術を行ってきた。現在生存を確認しているのは六十数匹。手術費用は県の助成金を活用し、手術済みの猫は耳に小さく目印を入れている。

 グループによると、猫同士のけんかなどで自然に傷つく可能性もあるが、腹がえぐれるなど人間の関与が疑われる大けがが相次いでいる。動物虐待の可能性もあるとして警察にも相談している。

 中心メンバーの赤石正子さん(73)と矢内恵美子さん(77)は「今いる猫に天寿を全うさせてあげたい」と願う。木村代表は「猫の虐待や遺棄は犯罪。地域猫活動をしなければ、野良猫がどんどん増えて被害が大きくなることを、一人でも多くの人に理解してほしい」と切望している。