大泉町が2024年度から実施の方針を明らかにしている町立保育園の民営化を巡り、園児の保護者を中心に町民から「唐突だ」などと疑問の声が上がっている。3月から今月にかけて開かれた町による説明会では、町側と保護者の間で議論がかみ合わず、紛糾する場面もあったという。町は関連する条例改正案などを町議会6月定例会に提案する方向で調整を進めているが、難航する可能性もある。

 行財政改革の一環で町が町立保育園の民営化の方針を示したのは3月2日の町議会定例会。村山俊明町長が「一部の町立保育園の民営化を進めていく」と述べ、その後、保護者を対象にした説明会が開かれた。

 「突然の話で、もう少し議論の時間が必要では」「2年後の民営化ありきで、こちらの不安や懸念に対して納得できるような返答がない」。説明会に参加した保護者らはこう口にした。子ども2人が町立保育園に通った女性(67)は「大泉の公立保育は50年も前から質の高い保育を保ってきた」と強調。火おこしや和太鼓演奏、ヒツジの毛刈りといった文化体験型保育を実践してきた保育士が民営化に伴い現場を去ることで、質の高い保育が維持できなくなることを不安視する。

 町は町立保育園3園のうち、南保育園と西保育園の2園の運営主体を民間に切り替える一方、北保育園は病児保育の機能を持たせて、町営を継続する方針。

 町こども課は「民営化後の姿は事業者が決まっていないため分からない」とした上で、「今後、意見交換会などを通じて町の考え方を丁寧に説明していきたい」としている。事業者の募集要項に「町立保育園の保育の継承」「現地説明会への参加」などの条件を付け、雇用についても希望する保育士は可能な限り受け入れるよう働きかけるという。

 3園の保護者代表と村山町長が意見交換する場が27日、初めて設けられる。