新型コロナウイルス対策の児童生徒のマスク着用について、文部科学省が熱中症のリスクが高まる夏を前に、屋内外で着用する必要がない事例を示したリーフレットを作成し、全国に通知した。人との距離が確保できたり、会話がなかったりすれば登下校時や屋内での読書などで着けなくてもよいとする。ただ、教員の目の届かない登下校時に、マスクを外すべきか子ども自身が判断するのは難しいことも想定される。各地の教育委員会や学校は、子どもや保護者らへの丁寧な説明を心がけている。

 県が政府の見解に基づいて屋内外でのマスク着用の考え方を示すなど、感染状況が落ち着きつつある中で、着用を一律には求めない動きが広がってきた。27日には、県独自の警戒レベルが28日から1に引き下げられるのに合わせ、保護者に情報発信する学校もあった。

 文科省は24日付で「学校生活における児童生徒等のマスクの着用について」と題する事務連絡を都道府県教委などに出した。「身体的距離が十分に取れないときは着用するべき」としつつ、「熱中症リスクが高い夏場においては、登下校時にマスクを外すよう指導するなど、熱中症対策を優先し、マスクの着用は必要ない」などと説明する。

 厚生労働省が未就学児のマスク着用などに関わる見解を20日に示したのを受け、2020年度から学校衛生管理マニュアルで言及してきた内容を念押しした形だ。

 末松信介文科相は27日の記者会見で、「登下校時には会話を控えるよう注意した上でマスクを外すように指導をすること」とし、「熱中症は命に関わる重要な問題。子どもが安心して学べるように地域の実情に応じ、めりはりをつけたマスクの取り扱いをお願いしたい」などと述べた。

 文科省の通知を踏まえ、県教委は各市町村教委に国の方針に沿った適切な指導をするよう通知している。

 前橋市教委は市立の幼稚園や小中高校、特別支援学校に国の通知内容を周知した。高崎市教委も各校に周知し、距離を保った上で会話を控えることは基本にしつつ、丁寧な指導を呼びかけたという。

 伊勢崎市教委は国の説明の中からマスク不要の場面を拾い上げ、まとめ直した通知を学校と保護者宛に作成した。学校教育課は「マスクを希望する子どもへの配慮はしつつ、命を優先させるという流れをつくりたい」とする。

 子どもを直接指導する学校でも、対応に気を配る。県小学校長会長を務める折田一人前橋桃瀬小校長は、学校の規模や登下校の方法は学校ごとに異なるため各校でさまざまな判断があるだろうとし、「マスクを外すことに不安を感じる人もいる。子どもはもちろんだが、保護者らにも趣旨を丁寧に説明し、学校と家庭と両側面で子どもに指導していきたい」と話した。