▼「日本や自分が暮らす地域のことを聞かれたけれど、説明できなかった」。進学特集『みんなの進路』を発行したとき、取材した高校生が話してくれた言葉だ

 ▼この生徒は英語学習に力を注ぐコースで学んでおり、英語には自信があった。ところが交換留学した際、不自由なく話すことはできたものの、国や地域についての考え方を問われ、うまく答えられなかった

 ▼「会話力だけではだめ。伝えるべきことを学ばなければ」と反省。帰国後、グローバルに活躍できる人材の育成プログラムや群馬の歴史・文化、風土などを学ぶ講座を受講し、郷土に目を向けるよう心がけたという

 ▼文部科学省が、全国の公立小中高校を対象とした2021年度英語教育実施状況調査の結果を公表した。本県の中学3年で「英検3級以上」の英語力があると判断される生徒の割合は60.9%。全国平均を13.9ポイント上回り、都道府県別で2位、政令市を含めると全国4位だった

 ▼県教委は、経験豊富な教員を英語教育アドバイザー(EAT)として小学校に派遣する独自事業など、さまざまな積み重ねの成果だと分析する

 ▼コミュニケーションの道具である英語を、自在に使いこなせる子どもが増えているのは喜ばしい。だが、英語はあくまで道具。使い方の習得に終始するのではなく、さまざまな事柄に対する自身の意見や考え方を伝えられる。そんな力も磨いてほしい。