群馬県みなかみ町内の観光・飲食産業に安定した雇用環境を整えようと、町内の9事業者が「みなかみ町特定地域づくり事業協同組合」を設立した。総務省の制度に基づき同組合が、従業員を直接雇用。組合に加盟する事業者に派遣することで、年間を通じた安定した雇用につなげる。同組合によると、県内では上野村に続く2例目。

 組合を構成するのは、町内で宿泊やスキー、アウトドア、飲食、福祉の各事業を営む事業者。雇用条件には、1年間に複数の事業者で働くことを含み、厚生年金や社会保険も完備する。

 設立の背景には、町の観光産業が多くの雇用を生む一方で、季節による需要の変動が大きいため、通年雇用が難しい現状がある。複数の業種を組み合わせることで通年で仕事を確保し、閑散期や繁忙期に左右されない安定した労働環境づくりを目指す。雇用条件の改善で、不足しがちな人材の確保にもつなげる。

 町観光センターで開かれた創立総会には、事業者の代表や町の関係者が出席し、組織体制や事業計画を決定した。理事長には、そば店の角弥を経営する渡辺一彦さんが就任。町が行政手続きを行い、県から「特定地域づくり事業協同組合」の認定を受け、人材の募集を開始する。制度に基づく交付金も受給する。

 渡辺理事長は「自分も個人事業主から、正社員を雇うようになるまでが大変だった。組合設立は事業者にとっても良いこと」とし、「趣旨に賛同する町内事業者は積極的に加わってほしい」と呼びかける。今後は「町内の若者の就業体験の場や、移住・定住の促進にもつなげていければ」と展望した。