4月に成人年齢が18歳以上に引き下げられるなど若者の社会参加の機会が広がる中、上毛新聞は今夏の参院選を前に、群馬県内の大学生と専門学校生らを対象に政治意識についてアンケートした。参院選があることを「知っている」という回答は4割にとどまる一方、投票に「行く」との前向きな回答は6割近かった。スマートフォン(スマホ)の普及などに伴い、若い世代を中心に個別に情報を受け取る人が増えており、選挙の情報をどう届けるかといった課題が浮かび上がった。

 アンケートは講義などで協力を依頼し、623人の回答を得た。

 今夏に参院選があることを知っているか尋ねたところ、「知っている」としたのは42.4%と半数以下。「知らない」47.5%と「分からない」10.1%を合わせると、約6割が参院選の実施を知らなかった。

 一方で、投票に「行く」としたのは30.0%、「おそらく行く」が27.3%で計57.3%。参院選の時期は知らなくても、投票自体には積極的な若者が少なくなかった。

 これに対し、「行かない」9.5%、「おそらく行かない」18.0%。「分からない」も15.2%いた。

 投票に「行く」と答えた若者でも、理由については「与えられた権利だから」とした若者が67.6%で最多。「投票が結果に影響する」は15.5%、「興味関心がある」は10.6%にとどまった。自分の思いを実現するための投票というよりは、権利行使のためという受動的な傾向が読み取れた。

 取り組んでほしい政治課題(複数回答)は「雇用・労働環境」が51.2%、「景気対策」が50.9%で、ともに半数以上。就職活動を控える学生として、経済の動向を注視している姿が浮かんだ。

 その他、「子育て政策・少子化対策」(46.9%)、「教育政策」(40.0%)など身近な課題への回答が多かった。「外交・安全保障」は25.2%、「災害対策」は24.7%、「格差是正」は18.3%と比較的低かった。

 群馬大情報学部の小竹裕人教授(公共政策論)は、若い世代はスマホなどで個々の興味に最適化された情報と接するため、政治や選挙など、普段興味のない話題には疎くなる傾向があると指摘。「義務感も含め、投票へ行く意思を持つ若者は少なくないようなので、多様化したメディアに適応した投票の呼びかけが重要性を増している」と分析した。

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