中曽根元首相の信念や人柄を語る柳本さん

 2019年11月に101歳で死去した中曽根康弘元首相をしのぶ講演会が29日、前橋市の群馬会館で開かれた。元秘書で参院憲法審査会長を務めた柳本卓治さんが出会いや人柄を紹介し、「人々の家庭の幸せを守るという思いが常に心の中にあった」と述べた。

 柳本さんは早稲田大生だった1965年9月、大学の先輩に当たる故河野一郎元農相の追悼演説会を同大で開き、河野派だった中曽根氏を招待したことを説明。中曽根氏の「早稲田の政治家は悲劇の政治家だ。それだけ国民と密接した政治を行っていた」という言葉に感銘を受けたことが、後に秘書になることにつながったと明かした。

 福田赳夫、小渕恵三の両元首相と争った72年の衆院選についても回顧した。最後に中曽根氏の「政治家は歴史という法廷の被告席に座っている」との言葉を挙げ、「信念を持って政治活動をしていた。あれほど大胆で奥深い政治家はなかなかいない」と敬った。

 孫の康隆衆院議員は「祖父は結縁、尊縁、随縁という『三縁主義』を座右の銘にしていた。私も縁を大事にし、その縁をより深いものにしていきたい」とあいさつした。

 講演会は、本県の偉人や歴史を顕彰しようと2020年秋に発足した「ぐんま郷土を愛する会」(江原正弘会長)が主催した。