「かい」を招き入れ、笑顔の李さん夫妻

 前橋市内初の犬猫保護シェルター「犬猫タウン前橋」が保護した雄の兄弟犬「かい」と「りく」が前橋、高崎両市の里親にそれぞれ譲渡され、施設を巣立った。1月の開所後、初の譲渡となる。施設長の磯崎正悟さん(33)は「寂しい気持ちもあるが、里親の元でどんな風に変わっていくか楽しみ」と今後の成長に期待した。

 同施設は飼い主のいない犬猫の保護や殺処分数の削減に向け、犬猫生活福祉財団(東京都)が前橋市と連携して開所した。保護した犬猫が譲渡後に安全に暮らせるよう、里親には①経済的な安定②時間的余裕③犬猫の平均寿命と里親の健康寿命にミスマッチがないか―など複数の条件を設けている。書面審査と面談を経て譲渡し、譲渡後もおおむね2週間にわたり施設への報告を求めている。

 2匹はきょうだい犬で雌の「くう」とともに野犬となっていたところを保護され、生後3カ月で入所した。特にかいは3きょうだいの中でも怖がりで、施設に入った頃は犬舎の隅でうずくまり、餌も満足に食べなかった。徐々に慣れてくると、他の犬たちとドッグランでじゃれ合うようになったという。

 かいの里親になったのは同市富士見町の李(イ)東徹(ドンチョル)さん(37)、こずえさん(38)夫妻。昨年東京から同市へ移住し、同施設の取り組みを知って里親に手を挙げた。かいは迎え入れた当初こそ環境の変化に戸惑っていたが、日を追うごとにリラックスしているといい、李さんは「日に日に慣れながら成長しているのを感じる」と話した。

 同施設によると、犬が順調な滑り出しとなった一方で、猫は苦戦が続いている。同施設が保護する14匹の中には老齢の猫もおり、希望が集中する子猫に比べて引き取り先が見つかりにくいという。今後、コロナ下で実施できていなかったオープンシェルターや譲渡会などを開催して直接触れ合う機会を増やし、「粘り強く譲渡につなげたい」としている。