降ひょうで傷つき、無数の穴があいたビニールハウスの屋根。室内にはシクラメンの鉢が並ぶ=31日午後1時20分ごろ、板倉町内蔵新田の石川花園

 27日夜に群馬県内各地で降ったひょうで収穫前の農作物が傷ついたり、ビニールハウスに穴が空いたりする被害が相次いでいることが31日、各JAや農家などへの取材で分かった。館林邑楽地域では園芸農家の被害が約600軒に上り、ハウス計160棟のビニール張り替えが必要となった。栽培が本格化する夏野菜や花への影響が懸念されている。JAや市町村などが被害状況の確認を急いでいる。

 JA邑楽館林によると、27日午後9時から30分間ほど、直径約1~2センチのひょうが降った。被害は邑楽町から板倉町にかけての国道354号沿いに目立ち、特産のキュウリやシクラメンなどを栽培するハウスが損傷した。5月に栽培が始まったばかりの露地栽培のナスやニガウリも枝が折れたり、葉が落ちたりした。収穫直前の麦がなぎ倒され、機械で刈り取れない畑も出ている。

 同JAは「多くの農作物で深刻な被害が出た。ハウスをすぐ直せなければ来年の作付けに影響が出かねず、費用面から離農者も出るかもしれない」と危機感を募らせる。

 板倉町の石川花園は、シクラメンを育てるハウス4棟と倉庫の屋根に無数の穴があき、浸水した。簡易的な保温用カーテンでしのいでいるが、梅雨を目前に湿気による病気のまん延が不安という。ビニールの張り替えは1000万円程度かかる見通し。石川英司代表(42)は「新調したばかりのハウスもあった。自然災害なので仕方ないが、いつまで雨をしのぎ、病気を防げるか」と肩を落とした。

 県北部や西部でも農作物への被害がみられた。各JAによると、利根沼田地域では同日午後6時半ごろ、数分間ひょうが降り、昭和村のホウレンソウとレタス、沼田市のリンゴに被害があった。高崎市の箕郷地域でも同日午後7時半ごろに10分ほど降り、収穫期のウメの実が傷ついたり、落ちたりした。

 気象庁によると、同日夜は発達した積乱雲の影響で天気が崩れ、短時間にひょうや突風が発生した可能性があるという。館林の観測地点では午後9時に最大瞬間風速約20メートルの突風が発生し、ひょう害を増大させたとみられる。