▼伊勢崎で生まれ、全国の民謡を研究した町田佳聲(かしょう)(1888~1981年)は日本初のCMソング「ちゃっきり節」を作曲した。伊勢崎銘仙の宣伝に、との依頼を受け、再び北原白秋とのコンビで作ったのが「からりこ節」である

 ▼〈わたしゃ伊勢崎/機場(はたば)のそだち/チャッカリンチャッカリン〉。発表の翌年、昭和5年の生産量は456万反とピークに。日本女性の7人に1人が着ていた計算というから、いかに人気だったか分かる

 ▼染めた経(たて)糸と緯(よこ)糸で絵画のような模様を表現できる「併用絣」は伊勢崎銘仙だけの高度な技術。当然高級品で、関西を中心に出荷された。それゆえ地元市民は直接触れる機会がほとんどなかったという

 ▼真の価値を知ってほしい-。2012年に始まった銘仙ファッションショーにはそんな思いがあった。レボリューション(革命)を掲げ、ミニ丈にブーツを合わせるなど斬新な着こなしで魅せた

 ▼苦情もあったというが、いせさき銘仙の会の杉原みち子さんは「やった!と思いましたね。だって今までと違うことをやろうとしたのだから」と振り返る。復活させた併用絣が英国の博物館に永久保存されるなど、取り組みは大きな成果を生んだ

 ▼ショーは先月の舞台でひと区切りとした。が、終わりではないと杉原さん。銘仙の可能性は時代に合わせてまだ広がると感じている。レボリューションの第2幕が見たい。