サクラやウメなどの木を食い荒らす特定外来生物、クビアカツヤカミキリ対策として、群馬県は31日、目撃情報をインターネット上の地図に表示するシステムを新たに構築すると明らかにした。スマートフォンやタブレット端末を使って県民が手軽に専用サイトから報告でき、県はリアルタイムの情報を市町村と共有して早期駆除につなげる。成虫が発生し始める6月中にも運用を開始し、東毛地域を中心に拡大する被害を食い止めたい考えだ。

 専用サイトで、目撃した①日付②場所③成虫かフラス(幼虫のふんと木くずが混ざったもの)か―などの情報を入力すると、地図に反映される仕組み。地理情報システム(GIS)を扱う民間企業のサービスを利用し、アプリの活用も視野に入れる。

 31日の県議会一般質問で森昌彦氏(自民)の質問に対して明らかにした。

 成虫は体長2~4センチで黒くつやがあり、胸部が赤いのが特徴。幼虫は木の中で成長し、木からフラスが排出される。成虫は繁殖力が強く、6~8月ごろに発生して幹や枝の樹皮に産卵する。

 県内では2015年7月に館林市で初めて確認された。西への被害拡大を防ごうと、県は20年度に太田、桐生両市などを「侵入防止エリア」に設定し、サクラに薬剤を注入した。それでも生息地域は広がり、昨年度は前橋、高崎、桐生、伊勢崎、太田、館林、みどり、板倉、明和、千代田、大泉、邑楽の12市町で計6909(サクラ5560、ウメ826、モモ235、スモモ197、その他91)本の被害が確認された。

 これまでも被害状況を確認できる電子地図「ぐんまクビアカマップ」があったが、毎年4~8月に実施する県の調査を年1回反映するだけだった。新たなシステムは目撃報告があれば随時更新され、無料で閲覧できる。県自然環境課は「早期発見と駆除が重要。市町村と連携して機動的に対応したい」とする。

 被害が進行すると木が枯れるため、観光や農業に深刻な影響を及ぼす。県と邑楽館林地域の6市町でつくる対策協議会によると、昨年度に切り倒したサクラは同会だけで36本に達した。新システムについて事務局の館林市は「市民と一体となった掃討作戦を展開しており、士気を高めるツールにもなる」と期待した。